内容説明
19世紀末から20世紀初頭のイスタンブルがパリやロンドンなどヨーロッパ諸都市を意識して変容する姿を、当時上演された演劇のポスターを軸に歴史的背景を交え詳解。伝統演劇の基礎の上に受容された近代演劇が花開き、トルコの「鹿鳴館時代」とでもいえる「西洋化」がいちじるしい街の変化の様子がそこから見てとれる。世紀末イスタンブルは、当時のヨーロッパ、さらには日本とも同じような雰囲気をもつ演劇都市だった。
目次
第1章 帝都イスタンブルの伝統演劇(影絵芝居「カラギョズ」;大道演劇「オルタオユヌ」 ほか)
第2章 西洋演劇の受容(1)正劇(近代演劇成立の社会的条件;正劇の受容 ほか)
第3章 西洋演劇の受容(2)大衆演劇の活況(「トゥルアート」演劇の誕生;トゥルアート演劇の特徴 ほか)
第4章 演劇ポスターにみる社会生活の西洋化(「文明開化」する都市イスタンブル;印刷・出版活動事情 ほか)
著者等紹介
永田雄三[ナガタユウゾウ]
1939年東京生まれ。公益財団法人東洋文庫研究員。千葉大学文理学部卒業、慶応義塾大学大学院文学研究科修士課程修了、イスタンブル大学大学院文学研究科博士課程修了、Ph.D。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授、明治大学文学部教授を経て現職。専門は、オスマン帝国史
江川ひかり[エガワヒカリ]
東京生まれ。明治大学文学部教授。早稲田大学第一文学部卒業、お茶の水女子大学大学院修士課程修了、同大学院博士課程単位取得満期退学。公益財団法人東洋文庫奨励研究員、立命館大学文学部教授を経て、2009年より現職。専門は、オスマン帝国社会経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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