長男の出家 (新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 174p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784863961210
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

1987年下半期芥川賞受賞作品。“親子”が問われる今、再び―。書き下ろし作品「長男の出家・その後」収録。

著者等紹介

三浦清宏[ミウラキヨヒロ]
1930年(昭和5年)北海道室蘭市生れ。東京大学教養学部入学後、渡米。サンノゼ州立大学卒業後、アイオワ大学ポエトリー・ワークショップ修了。明治大学教授などを歴任。1987年(昭和62年)「長男の出家」で第98回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ネギっ子gen

61
【親の気持ちがいちばん修行の妨げになる】<たまたま高度成長期を終えて、変化し始めた家族関係や人生の価値観などに戸惑う人々が、寺という一般社会とは違う世界に足を踏み入れようとする小さい息子をめぐって右往左往する親の姿>を描いた小説。1987年、懐かしの「海燕」(福武書店)に掲載。10年前に「長男の出家・その後」も付して再版した本書を偶然目にして、今回読んだ。【女傑・愚海和尚の声】<座禅に来るものはみんな自分の息子であり、孫なんだ。だからわしもそのつもりで良海(息子の法名)を育てたんだ。誰もが道元禅師さ>。⇒2023/08/24

あじ

37
ある日小三の息子が「僧になりたい」と言い出した。中学に上がった息子は絵に描いたようにグレ始め、手をこまねいた両親は寺に預ける事を決断する─。一過の流れで子を手離した両親と、とらえどころのない能面息子。“修行”という名のもとで煩悩に苛まれる姿を淡々と築く経過は、世代の遠近を浮き彫りにしている。それは刊行から月日が経とうと、相容れない溝として何らかの形で存在し続けているはずだ。◆87年下半期 芥川賞受賞作◆この新版には「長男の出家」のその後を描く短編が書き下ろしで収録されている。2019/03/30

Taito Alkara

7
主人公はあくまで父。出家する長男や、他の家族との絡みで主人公が成長していく姿がみられる。2017/05/01

ミヤト

6
表題作のみ。息子が出家を志す。それに反応する主人公。良海という名前をもらう。出家を境に変わっていく息子。リアリティがある。ほのぼのとした気持ちで読めた。2022/08/29

haniko

5
アメリカで放浪生活をしてきた主人公が、日本に帰って来て結婚し、息子がいる。アメリカにいたとき「禅」とは何か、と問われ、知識がない主人公は英語が分からない風を装い適当にごまかす。そのことが心の重しになり、帰国してから禅寺に通うことになる、その後息子を連れて行くようになる。その息子が小学三年生の時「お坊さん」になりたいという。その寺は平安時代からある由緒ある寺。住職は尼僧で、柔道二段、剣道初段、ヤクザを投げ飛ばし額に負った傷まであるという。北陸の鬼道場といわれた禅堂でも一目置かれた僧なのだ。2019/05/15

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