内容説明
内村鑑三は、明治期に、教会のない人々の集まりとして、日本独特の無教会派キリスト教を始めた人物である。その思想は、自ら創刊して主筆を執った雑誌「聖書之研究」などで数多く発表されており、本書は、そのなかから「伝道」についての論考だけを抽出し、まとめた。伝道師としての内村鑑三を知る貴重な文献であり、信仰心から来る伝道への熱い情熱があふれる隠れた名著である。
目次
第1章 宗教はなぜ必要なのか(宗教の必要性;福音の意義 ほか)
第2章 私の伝道方法(伝道の決意;伝道への第一歩 ほか)
第3章 伝道と政治(伝道と職業;政治と正義)
第4章 真の伝道師になれ(伝道の勧め;伝道できない言い訳を捨てよ ほか)
第5章 いざ、世界伝道へ(世界伝道の精神;伝道を志願せよ)
特別収録(クラーク先生の思い出;政治家を志した友人への追悼メッセージ―故横井時雄君のために弁ずる)
著者等紹介
内村鑑三[ウチムラカンゾウ]
1861~1930年。明治・大正期に活躍した、日本を代表するキリスト教思想家、社会批評家。「無教会主義」の主唱者。札幌農学校でキリスト教に出合い、米アマースト大学などで信仰を深める。第一高等中学校教員時代、教育勅語の天皇署名に対する敬礼を拒否したことが社会問題となる(不敬事件)。「萬朝報」や「東京独立雑誌」でキリスト教に基づく社会批判を展開し、伝道雑誌「聖書之研究」でキリスト教に関する研究を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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