出版社内容情報
ガス室の前で人間と運命におびえ震えていた仔犬は、いま、人の命を救う災害救助犬に!実話を基にした感動の物語。
先のネパール地震の被災地にも出動した災害救助犬「夢之丞(ゆめのすけ)」。勇ましい顔で颯爽と歩く彼は、元捨て犬だった……。
野良犬として動物愛護センターに保護され、殺処分寸前のところを、災害救助犬候補生として救われた夢之丞だが、災害救助犬としての素質はもちろん、人におびえてゲージの外にも出てこず、可能性はほぼゼロに近かった。それでも、トレーナーたちはあきらめなかった。「ダメな犬なんかいない、無駄な命なんてない、ダメにしているのは人間だ」。根気強く訓練をつづけていく人間に対し、次第に夢之丞は心を開くようになり……。
夢之丞の活躍を、空から見守る一匹の猫の視点で綴る、感動の物語。
内容説明
ガス室の前で震えていた小さな捨て犬はいま、人の命を救う災害救助犬に!広島県で本当にあった命の物語。
目次
1 はみだしっ子
2 ビビリ
3 ライバルあらわる
4 マイペースの頑張り
5 初めての出動
6 世界から“英雄”と呼ばれて
7 夢さんの素顔と日常
著者等紹介
佐藤真澄[サトウマスミ]
作家、ライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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道楽モン
53
年少者向けの夢之丞物語。捨てられて保健所で処分された猫。夢之丞を見守りながらの語り部は、その猫だ。天国とこの世の狭間に浮かぶ猫の視点を導入した作者の手腕は見事であり、静かなる怒りの表明としてとても共感できる。夢之丞は、数百万単位で殺処分された名もなき犬猫たちの希望なのだ。彼らへの鎮魂として殺処分ゼロを声高に宣言する人間たちの身勝手ぶりに恥じ入る感性すら無くした大人たちは、儲かるという理由で繁殖させ、儲からないという理由で捨てることができる社会を作った。本書を読んで純粋な涙を流す若者たちに希望を託します。2025/09/01




