感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
チェアー
6
石牟礼道子、中村きい子、森崎和江の思想文学を時空に位置付ける評論。3人に共通するのは聞き書き。それは単に聞いたことをそのまままとめるのではなく、聞いたことから時空の枠を取り払って聞こえたものを書くことだと。対象への憑依が必要なのかもしれない。 3人の中で圧倒的な存在感は森崎和江だ。2025/10/28
HH2020
2
◎ 中村きい子、石牟礼道子、森崎和江の三人の作家を「思想文学」という定義のもとに論じている。三人は「サークル村」に集う仲間だ。中村きい子は聞き覚えがなかったが、石牟礼・森崎の二人についてもっと知りたいと思って本書を手にした。三人のそれぞれ代表的な著書「女と刀」「椿の海の記」「遥かなる祭」を主な題材にして彼女らの思想を分析する。それを要約してまとめるのは私の手に余る。それでも「周縁化」というキーワードは特に印象に残った。著者は大阪大学大学院の教授とのこと、文章はまるで論文のように固いがとても勉強になった。2025/11/21
n_kurita
1
石牟礼道子さん以外の方を存じ上げなかったため、理解できるか不安なのところもあったが杞憂だった。またフェミニズムに関しても無知であったが、本作を読むことで理解できた部分も大きい。思いのほか切り口が多様で面白く読めるし間口が広いのも良かった。もっと言うと、ベンヤミンと石牟礼道子さんの比較があり唸る。ここを持ってくるのか!しかし突飛なものでもなく二者へ深い理解があってこそ、と思えた。読んでおいて良かった。中村さん・森崎さんの著書も読みたい。2026/02/09
belier
1
サークル村に参加した3人の女性作家の作品を一つずつ論じ、彼女らの思想を考察している。中村と森崎の作品は読んでいないため、追って読もうと思う。一つずつと書いたが、それぞれの別の作品も言及されている。三者の様々な作品が有機的に結び付けられ、特に、よく知る石牟礼作品の理解を深められて有意義であった。また森崎の『からゆきさん』を読んだとき違和感を覚えていたのだが、理由がわかった気がした。著者の論ずる通りだとすると、森崎の考えについて納得できない部分がある。考える課題が与えられたという意味でも意義深かった。2026/01/23
あまみっく
1
見慣れない単語も多くて読むのに苦労し、私は本書の求める読者ではないのだろうと思いながら読み進めたが、「南九州」の生まれ・育ちという著者のあとがきの言葉には励まされた。がんばって読んでよかった。 石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の作品を取り上げているが、同郷である中村きい子については恥ずかしながら名前も知らなかった。ただ、読みながら最も興味をそそられたのは彼女の『女と刀』だった。早速購入したので、年末にでも読みたい。2025/11/25
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- 電子書籍
- ヒバナ 2015年4/10号




