内容説明
プロレタリア詩運動の中心で活躍した後、戦争詩の時代を経て、戦後の激動期を生き抜いた大江満雄。常に混交のなかに身を置き、社会の片隅で生きる人たちへのあたたかいまなざしにあふれた作品群を残した。単行本初収録作品を含む詩63篇と散文8篇を収録する。ハンセン病療養所の入所者による合同詩集『詩集 いのちの芽』を編んだ詩人大江満雄の代表的な仕事を精選した作品集。
目次
詩(病んでゐた少女;五月と乞食;モヒ中毒患者;父親;精神病者 ほか)
散文(詩の絶壁;国家と詩;詩の表現自覚;私の詩法;詩人とユネスコ ほか)
著者等紹介
大江満雄[オオエミツオ]
1906年高知県生まれ。詩人。10代で父とともに上京。原宿同胞教会にて受洗。詩を書き始める。プロレタリア文学運動の中心で活躍。そのため治安維持法違反で検挙、転向。以後、戦争詩を書く。戦後はヒューマニズムを基調とする思想的抒情詩を多数発表した。ハンセン病療養所入所者の合同詩集『いのちの芽』編集、解説。多くの評論、児童文学の作品ものこした。1991年心不全により死去。享年85
木村哲也[キムラテツヤ]
1971年生まれ。国立ハンセン病資料館学芸員。2023年に企画展「ハンセン病文学の新生面「いのちの芽」の詩人たち」担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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