エドワード・サイードある批評家の残響

電子版価格
¥1,760
  • 電子版あり
  • ポイントキャンペーン

エドワード・サイードある批評家の残響

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 208p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784863856127
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0010

出版社内容情報

エドワード・サイード没後20年

文学、音楽、パレスチナ問題など分野横断的に論じた批評家、エドワード・サイード。ポストコロニアル批評の先駆者として『オリエンタリズム』などの著作を残した。イスラエルによるガザへの軍事攻撃が激化。いまサイードの著作が読みなおされている。彼にとって、批評とはどのような営為だったのか? 没後20年をむかえた今、その思考の軌跡をたどりつつ、現代社会における批評の意義を問う。


【エドワード・サイードとは?】

1935年、エルサレム生まれ。幼少期をカイロで過ごす。ハーヴァード大学で博士号を取得。その後、コロンビア大学で比較文学を教えつつ、パレスチナ解放運動にかかわる。主著『オリエンタリズム』は、人文学の学問領域の再編をうながす画期的な著作。2003年、ニューヨークで逝去、2023年に没後20年を迎えた。



【著者プロフィール】

中井亜佐子(なかい・あさこ)

1966年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科教授。専門は英文学。オクスフォード大学博士課程修了(D.Phil.)。著書に、『日常の読書学――ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』を読む』(小鳥遊書房、2023年)、『〈わたしたち〉の到来――英語圏モダニズムにおける歴史叙述とマニフェスト』(月曜社、2020年)、『他者の自伝――ポストコロニアル文学を読む』(研究社、2007年)など。翻訳に、ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃』(みすず書房、2017)など。

内容説明

サイードにとって、批評とは何だったのか?文学や音楽のみならず歴史や現実の政治など、分野をこえて論じた批評家、エドワード・サイード。ガザ危機が激化する今、パレスチナ問題についても果敢に発言した彼の思考の軌跡をたどりつつ、現代社会における批評の意義を問う。

目次

序章 批評家を批評する(テクストは世界のなかにある;エドワード・サイードを語る;批評とは何か;批評家の残響を聴く)
第1章 ある批評家の残響(声を装うテクスト;批評の限界?;コンラッドを聴く;近代の不協和音;友だちにはなれない)
第2章 理論は旅をする(フレンチ・セオリー?;『はじまり』にフーコーもいた;オリエンタリズムの空間;廃墟の批評理論)
第3章 文化と社会(批評家と共同体;旅するレイモンド・ウィリアムズ;意図をとりもどす;批評意識は理論に抗う;アカデミアからパレスチナへ)
終章 人文学に“新しさ”は可能か(永遠に新しくあれ;言葉への愛;追記―希望は棄てない)

著者等紹介

中井亜佐子[ナカイアサコ]
1966年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科教授。専門は英文学。オクスフォード大学博士課程修了(D.Phil.)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

2
ふむ2024/06/14

辻薫

1
サイードが残した批評は、文学テクストを言説理論を用いて批判的に読み込むことで書かれただけでなく、パレスチナの政治的な現実に直接対峙することによっても生み出された。強度を持った言葉(理論、思想)は、現実における具体的経験との折衝抜きには生み出されえない。それを体現するかのように書き続けた批評家の生の残響を――それぞれの旋律が「対位法」のように重なり合いながらも拮抗することによって生まれた、調性を欠いた不協和音を、著者は聴き取ろうとする。2024/02/16

ヤマニシ

0
「批評家は生き残って、究極の他者である、死せるテクストの声を聴きたいと願う。しかし、批評家自身が語りはじめるとき、それは他者の声の単純な、あるいは劣化した再演ではない。他者の想像力を限界づけている構造の調和を、みずから雑音をたててかき乱すことを怖れていては、批評は批評ではなくなるだろう。」(p82)2025/02/06

0
むずかしかった2024/06/12

くろうさぎ

0
サイードへのレイモンド・ウィリアムズの影響を強調している点が新しいのだろうか.しかし一方で人文学に〈新しさ〉は可能か?という問いが投げかけられる.この問いは〈新しさ〉を求めることへの批判を含むものだ.ここでラトゥールが引用される.確かにサイードは作品を構造主義的かつ構築主義的に歴史に還元したりしない点でラトゥールと似た部分がある.そしてどちらもエリート主義的だと批判される.だが科学人類学者であるラトゥールを取り上げること自体が文芸批評に〈新しさ〉を求めているのではないだろうか.2024/03/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21736901
  • ご注意事項

最近チェックした商品