内容説明
『父の初七日』監督・脚本のエッセイ・リウ。映画の原作エッセイがベストセラーとなった作家の最初の短編小説集。初邦訳。子供が欲しい。でもそれってホルモンのせい?でも、過ぎてしまえばそれでいいなんて私は思わない…「愛しいあなた」。母親には永遠にわからないだろう。それは四倍の愛なのだ。母と父の役目で二乗。会えなかった最初の息子の分でさらに二乗だって…「プレゼント」。私は年上の人しか好きになれないんです。父の秘密と私の恋…「失明」。台湾の現代女性の愛と痛みを衝動的に描いた短編小説集10編。
著者等紹介
劉梓潔[リュウシケツ]
エッセイ・リウ。1980年、台湾・彰化県生まれ。小説家、脚本家、台湾・逢甲大学人文社会学院専任教授。国立台湾師範大学社会教育学系卒業。受賞歴に金馬奨最佳改編劇本賞(2010年)、台北電影節最佳編劇賞(2010年)、林栄三文学賞(2006年)、聯合文学小説新人賞(2003年)など多数
明田川聡士[アケタガワサトシ]
1981年、千葉県生まれ。獨協大学国際教養学部専任講師。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は台湾文学・台湾映画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rosetta
24
台湾の脚本家、エッセイイスト、小説家、映画監督である女性の本邦初訳の恋愛小説。翻訳の問題か元の台湾語の問題か、非常に伝わって来るものが少ない。映像化されなくては完成しない表現なのか?描かれている恋愛も普遍的というか地域的でないというか、要するにどこででも成立する当たり前の話にしか思えない。もっと台湾や台北市の匂いや風を感じられる小説を期待していたのだがその意味では全くのハズレだった。それでもこういう当たり前を書けるようになったことが台湾の成熟なのかもしれない。2022/11/12
アリーマ
13
台湾の女流による現代的性愛小説。ミドルクラスからセレブ層の台湾の都会に生きるキャリアウーマンたちの愛と性を生々しく描く。奔放に見えて、反面ではヒステリックに愛に飢えた諸相が透けて見えるのだが、たとえ奔放でも生臭くても、なんだかヤケにカッコよく取り繕ったり偽悪的だったり。この感じはなんだろうなと思ったら、90年代くらいに日本でよく見かけたパターン。そうか、台湾はイマココな感じなんだな、と興味深くはあった。★★★2024/01/08
読書熊
2
男尊女子社会の中での自由の追求2025/03/04
ぷくらむくら
1
もらいもの。出版社は短歌集を良く出している処なので、こういうものも出しているんだなぁ、と再認識。文章の流れは心地良い。個人的には「上海・新・桃花源記」のような話が好み。2024/03/22
もち
1
生々しすぎると思ったりした。2024/01/15