目次
転院搬送
大阪コロナ重症センター
沈黙の春
第四波
トリアージ
声
風の本音
第五波
狂人
波間
持久戦
時代
著者等紹介
犬養楓[イヌカイカエデ]
1986年愛知県生まれ。18歳より短歌を始める。現在、救急科専門医として救命救急センターに勤務。cakesクリエイターコンテスト2020佳作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遠い日
10
コロナ禍の凄絶な病棟での空気がぴりぴり。まさにそこは戦場だ。トリアージの判断。救命はしても延命は許されない場所。病床の逼迫と医療従事者の不足を煽るからだ。そんな究極の選択を常にしながらの仕事に終わりはない。第6波のさ中までを、未来から見据えての歌集だ。連作のリアルな描写が、この先の時代でどう受け取られるのか。「正確な記憶を綴る 先々に塗り替えられてしまわぬように」。思いの丈で書き残すことばは胸にずしりと沈む。2022/04/23
warimachi
2
「助けても助けてもなお感染者減る兆しなしじっと手をみる」(p.62)「疲弊することにも疲れたと言って看護師一人が病院を去る」(p.95)「百年後を語れば狂人語らねば百年後から見れば狂人」(p.104)2022/06/10
林克也
1
ちょっと、簡単にはコメントできない。 ・偶然に隣に座った人さえも許せぬような・・・・・・ ・人間を辞めたくなれり五十代に延命希望・・・・・・ ・人類の共通の敵出現にどうして・・・・・ ・百年後を語れば狂人語らねば・・・・ ・私なら助けなくてもいいからね・・・・・ 犬養さんは歌を書くことで感情のコントロールバランスを取っている。と思う。そんな簡単なことじゃないだろうが。 2022/08/03