感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
そら
63
現役の救急科専門医が書くコロナ禍での命のトリアージ。受け入れ先が見つからないことや、医療従事者へのエールをテレビニュースで見ていたあの日々。戦争の報道に隠れ、今でも戦い続ける医療従事者やコロナ重症患者がいるのだろう。私の身近なところではコロナにかかった人はいないが、この物語はとてもリアルで現場の命の選択が読んでいても辛い。ベッドがなく、命を諦めるしかないとしたら…。救急隊、受け入れ病院の医師、看護師たちの心労や戦いには心から敬意を表したい。そして、ウイルスの終息を心から願いたい。2022/04/16
leo
16
ぶっちゃけ、一つの物語としてはドラマチックな波がないように思う。しかし、コロナ禍の病院という現場では毎日が小さなドラマの連続なんだな…緊張感を保ったまま読了した。筆者も実際に救急医であると知ってびっくり。救急医って小説書く時間あるのかな…2021/12/21
かふ
15
以前オウム真理教の林郁夫が大学病院のシステマティックなのが嫌になって、オウムの医者になったというのを思い出した。「トリアージ」は患者を選別することで、それはシステムの中で都合よく(でもないのだが死の優先順位を付ける)行われている。それに関わる研修医と救命士の立場の違い。コロナ禍だから仕方がないのか?なかなか難しい問題である。結局そのシステムを批判しつつそうした医療に従事しなければならない問題は、アーレントの全体主義やイスラエルのガザ攻撃なんかにも繋がっていくのだろう。コロナが悪い?とかそういう問題でもない2024/01/23
おのちん
14
★★★☆☆:コロナの中で徐々に切羽詰まっていく医療現場と、その外の大きなギャップに申し訳なさを感じた。 「救急医療の仕組みを根本から変えたんだよ、このウイルスは」の言葉が重かった。そして、医療従事者の方々には本当に感謝です。2022/03/03
sosking
14
また、お医者さんの作家さん。トリアージとは、救命医療する際に患者につけられる札のこと。要は、救命治療の優先順位のこと。池田小事件での救命医療の教訓となっている。救命士にしろ医者にしろ、助かる命を早急に判断しなければならない決断の強さが問われる。そう思って読むと、緊急事態での判断の優先順位は本当に辛いものだと思う。2022/01/08




