内容説明
自分の体のサイズをめぐって悩みを抱える主人公エリザベス。同じようなコンプレックスをもつ女性たちとも関わって生きている。ダイエットに取り組み、次第に彼女は痩せていくのだが―。人が自分の体を生きることの居心地のわるさを描き出したモナ・アワドのデビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
26
少女にとって太っているということは?そしてダイエットして痩せていくことはさらにどういう意味を彼女の身体に付け加えていくのか。ひとりのファットガールの人生を描いた連作短篇集。絵に描いたような劇的な不幸も幸福もなく、ただ誠実に生きて考えて生活している女性の生活を丁寧に描写して、彼女の考えていること、喋る言葉、出会う運命を物語として提示する。この光景を、私もどこかで見たことがある。更衣室で、自分の部屋で、友人との会話で。そう思わせたならこういう物語は間違いがない。これは間違いがない一冊でした。おすすめ。2022/06/06
星落秋風五丈原
25
なんかちょっと身につまされます。なんで太っているとこんなにコンプレックスに悩まされないといけないのか。そしてヒロインちゃんと痩せるのにそれでも幸せになれない。2024/07/06
kana
20
居心地が悪い。ずっとエリザベスがこちらを見てきて、私の身体をジャッジしているような感覚。食事をする時も、試着室にいる時も、セックスをする時も、母と話している時も、友達と遊んでいる時も、ネイルをしている時も、彼女は自分の身体を忘れない。嫌でも自分の身体を意識させられる小説であった。2022/08/03
ズー
18
10代の頃、今より10キロ多かった私なので、すごくエリザベスのさまざまな気持ちが分かった。たしかに体と心って1番身近な他人のようなもので、よほど自分の体型に満足してる人はいないんじゃないか。痩せていても太っていても、それが幸せと直結はしないということ。エリザベスの体型から発信された、日常のあれこれ。語り口はアメリカンなポップな感じで読みやすい。美意識高い人特有の嫌な目線がすごく感じられて、それがわかるーと思いながらも、ヒリヒリしつつ楽しんで読めた。2021/06/24
イシカミハサミ
15
“ファットガール”をめぐる短編集。 いつか書評家の三宅香帆さんがおすすめしていたので読んでみた。 中にはちゃんと読めたな、と感じるエピソードもあったけれど、 全体的にはぼんやりとしかつかめた感じがしなかった。 もともと翻訳本がどうしても原文とニュアンスが変わってしまう気がして 苦手ということもある。 何よりつらかったのは登場人物たちが全員何文字かのカタカナの並びとしか読めなかったこと。 文章は綿矢りさの雰囲気。 翻訳本とカタカナに強くないと読みにくいかも。2023/04/05
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