内容説明
ここから始まる小説を読むという愉しみ。
目次
1 文学と心(“待つ女”を演出し主導権『袋小路の男』絲山秋子著・阿部公彦評;孤独な心 弱さの側に立つ『ことり』小川洋子著・蜂飼耳評 ほか)
2 文学と言葉(過剰な文体の純愛物語『夫婦茶碗』町田康著・秋草俊一郎評;人間の定義揺らぐ未来『大きな鳥にさらわれないよう』川上弘美著・谷崎由依評 ほか)
3 文学と社会(作風に「やさしさ」新展開『懐かしい年への手紙』大江健三郎著・阿部公彦評;漂着の島 協力と裏切り『東京島』桐野夏生著・蜂飼耳評 ほか)
4 文学と生命(ピアノ競演 響き合う個性『蜜蜂と遠雷』恩田陸著・江南亜美子評;災厄からのしぶとい再起『空にみずうみ』佐伯一麦著・阿部公彦評 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
67
新聞の書評集と著者らの対談などで構成。数冊読みたい本が増える。残念なのはタイトルのキリンとしての切り口が無かったのと、一部分黒字に白文字のページが読みにくかった。2022/02/09
tenori
45
どうしても自分のお気に入りの作家であったり、好みのジャンルで読む作品は限られてしまう。そんな時に役立つブックガイド。読売新聞「本よみうり堂」の連載企画「現代×文芸 名著60」をまとめたもの。四つのカテゴリー(文学と心、文学と言葉、文学と社会、文学と生命)に分けられていて、挟みこまれたコラムも秀逸。無限に読書タイムがあるわけではないし、ちょっと幅を拡げてみたいというときにはぴったり。年頭の時期などにざっと目を通すだけでも効用ありと感じました。掲載されていた本を何冊か古書店で購入。積読本が増えて困る。2022/01/14
れっつ
39
ちょっと異色のブックガイド。このタイトルにキャッチされ、キリンを始め、動物たちが思い思いに本を読んでいる嶽まいこさんの装画が可愛くて手に取った。そしてのっけから、企画・案内役のおじキリンさんの"はじめに"に深く頷く自分がいた。60冊の書評が4つにカテゴライズされて紹介されているが、その間に挟まれた黒いページの"おじキリンのコラム"が良い!そのボリュームもなかなか凄く、彼の本への思い入れや語りには相当な熱量を感じる。自身をキリンに見立て、控え目で丁寧な語り口とのギャップ萌えとでも言おうか…笑。ホント面白い!2021/08/07
千穂
30
図書館で借りてきた。拾い読みしか出来ず返却期限になってしまいました。次に読みたい本のチェックは何とか出来ました。2021/11/27
Roko
27
小説には様々なものがあって、それを読んだ人の書評も様々なものがあります。それを読んでどう思うかも、これまた様々でして、その書評がステキだったから、その本が本当にステキかというと、そうとは限らないというところが悩ましい所なのです。誰かから「この本、どう?」って言われて、その本を手に取ってみるというのは、けっこうリスキーです。だから、書評を書く人の文体が好きかどうか?というところが、わたしにとっての本を読みたくなるポイントなんだな、ということに気づかされました。2021/07/28