内容説明
“プリキュアになるならわたしはキュアおでん 熱いハートのキュアおでんだよ”“バーミヤンの桃ぱっかんと割れる夜あなたを殴れば店員がくる”第1回笹井宏之賞大賞受賞!
目次
ぺらぺらなおでん
不在通知
冬と進化
より良い世界
さよなら
逃げるための舟
七月のひとり
忍たまが好きだった柏木くん
強いとんび
生活をする
カレンダーを繰る
結婚記念日と歯痛
ウィンターワンダーランド
母の愛、僕のラブ
著者等紹介
柴田葵[シバタアオイ]
1982年神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。元銀行員、現在はライター。「NHK短歌」や雑誌ダ・ヴィンチ「短歌ください」短歌×写真のフリーペーパー「うたらば」への投稿を経て、育児クラスタ短歌サークル「いくらたん」、詩・俳句・短歌同人「Qai(クヮイ)」に参加。第6回現代短歌社賞候補。第2回石井僚一短歌賞次席「ぺらぺらなおでん」。第1回笹井宏之賞大賞「母の愛、僕のラブ」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ちぇけら
24
さきっぽが開いた歯ブラシごめんねといいよの隙間で抱き合い眠る。私がわたしになって、きみは雨になって虹を架ける。きみのひかりを質屋にいれて手にした小銭で地下鉄に乗った。きみに嫌いだよって言ったのは、嘘ではないけど偽りなのです。美術館で色とりどりの額縁を見た帰りに飲んだスターバックスラテはミルクを低脂肪乳に替えてもらって、少しだけシホンシュギとラブの消費に抗ってみたんだ。きみの知らないところでしかきみを愛せないこと、許してほしくはないけれど、花壇に刺さったビニール傘の骨組みほどには、輝いていたいなあと思った。2020/10/28
水色系
23
プリキュアになるならわたしはキュアおでん 熱いハートのキュアおでんだよ(P12)/シルバニアファミリーここは僕らのお墓それから生家かたづけようか(P46)/「あかるいね、性格」「まあね(本当は自分をちぎって燃やしているだけ)」(P67)/あの友は私の心に生きていて実際小田原でも生きている(P79) :好き。表紙の絵が宮崎夏次系さんでそこもいい(私が宮崎夏次系さん好きっていうのもあるけど、シュールで儚い感じが作品にぴったり)。2023/08/11
ひさしぶり
19
きみは短歌だった を覗く。いっぺんに好きになっちゃった。 -プリキュアになるなら わたしはキュアおでん 熱いハートのキュアおでんだよ -産むことと死ぬこと生きること ぜんぶ眩しい回転寿司かもしれず2020/07/04
スイ
18
良かった! 書き過ぎている短歌は、わかりやすいけれどキャッチコピーとどう違うんだろう、と思ってしまったりする。 でも今作は絶妙に書き過ぎていない歌ばかり。 それでも、感情や感覚の手触りはしっかり伝わる。 直接的な語を用いなくても、孤独や諦念が文字の間から滲み出てくる。 好きだなぁ…。 お気に入りの本屋さんの、ほぼお任せの選書の中の一冊で、ドンピシャな選書にその本屋さんがますますお気に入りになりました。2021/11/02
mer
13
現代風の短歌も素敵だなとこの本を読んで思った。 「産むことと死ぬこと生きることぜんぶ眩しい回転寿司かもしれず」がお気に入りのひとつ。2020/02/25