目次
拾いながらゆく
オカリナが聞こえたら
もやし
オカルト雑誌のある部屋
アスパラガスを握りしめ
やわらかく変わる
ポルポッパー
ナメクジウオを称えよ
夜市
きみを追う
芋けんぴがささる
多重露光
わいふぁい
ラーメンでつながっている
たなかさんちのじてんしゃがじゃま
訃報
正月もスクワットしろ
この街の海
うおのめ
境界線の夢をみる
煮汁
著者等紹介
戸田響子[トダキョウコ]
1981年愛知県名古屋市生まれ。未來短歌会彗星集・歌人集団かばんの会に所属。詩形融合作品「煮汁」で第4回詩歌トライアスロン受賞。「拾いながらゆく」で第60回短歌研究新人賞次席(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
49
第4回詩歌トライアスロン受賞「煮汁」を標題に抱えた、初歌集。名古屋を代表する新鋭歌人。穂村弘の「短歌をください」に投稿をはじめ、今回「平和園に帰ろうよ」を出す小坂井大輔らも短歌を始める。未来短歌会加藤治郎欄、荻原裕幸の東桜歌会、歌人集団「かばん」の会に参加。詳細は「全ては戸田響子から始まった」検索2019/04/07
ふみ
29
うすく紗を纏ったような歌群。だが、たしかに生きている命の匂いがする。美しくはない、ホンモノの命の匂い。なんて豊穣なのだろう。2019/04/16
みーまりぽん
11
ティさん、と知ってはいるが言葉を交わしてないやうな・・・も なごやんだったのですね。そういえば新しく出た生なごやん、買ってみたけどまだ食べてないや。。 感想用に何作かお気に入りをメモったのですが、やはり列記するのは止めときます。 「芋けんぴがささる」「煮汁」、自由詩と融合したこの2作に憧れます。短歌から言葉が溢れて詩になるのか、詩の言葉を切り詰め煮詰めて31音にするのか.. いや、理屈じゃなく立上がってくるのでせう。 そして「アップルロリポップ」、自分には絶対に無い抽斗です。パクっちゃおかしらん(^-^)2020/06/16
しなの
11
待ちに待った戸田響子さんの第一歌集。オカルト風味あり、ノスタルジックなかおりのする歌あり、いろんな戸田さんがつまってる素敵な一冊。短歌だけじゃなく詩が書けるの、尊敬です。2019/04/28
きゅー
8
「思い通りにならないようだと思ったが一応三分ぐらいはごねる」「もう水が打ってある朝五時半のお向かいの家おそろしくて」「軍艦巻きのいくらがこっちを睨みつつ右から左に流れていった」「ピントが合わないことが自慢のトイカメラわたしもたぶんそういう感じ」。日常の風景が切り取られ、それそのものは何らおかしなものではないのだけど、それに向きあう意識が捻れているような雰囲気だ。「毎日の一滴一滴が煮つめられどうしようもない煮汁となってあふれ出す」とあるのだが、薄いこともある日々の一滴を濃く濃く煮詰めるのが歌人というものか。2023/12/20