内容説明
「NHK短歌」で好評の「えりこ日記」が1冊に、穂村弘との特別対談も収載。
目次
1(骨までだめにする;鳩地獄;生ぬるい ほか)
2(運命の出会い;海の上では何も話さなかった;魚の骨事件 ほか)
3(爪と恋;海ばかりかがやく;君を帰して ほか)
対談 あの頃と今。この18年(錦見映理子×穂村弘)
著者等紹介
錦見映理子[ニシキミエリコ]
1968年、東京生まれ。未来短歌会所属。現代歌人協会会員。歌集『ガーデニア・ガーデン』(本阿弥書店)。「リトルガールズ」で第34回太宰治賞受賞。2018年11月10日筑摩書房にて単行本として発刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あや
21
尊敬する短歌同好の友人に、こんな本があると教わった。未来短歌会所属で、小説家でもある錦見映理子さんの短歌交友エッセイ。華やかな歌人との交友が短歌作品を交えて綴られている。なぜこの本を友人に教わったかというと、教わった友人と共通の友人である歌人の方の記述があると教わったからだ。ごくプライベートなことにも触れられているので、これはご本人様のご了承を得ているのか気になった。とはいえ、教えてくれた友人は図書館で借りたという。00年代の短歌界は個人情報取り扱いは結構ゆるかったと聴くしその延長線上にあるのかも。2025/06/17
PAO
17
「人生には、どうしても散文では書けないことが起きることがある。韻文でしか書けないことが、この世にはあるんだ」…深く同感いたしました。小説『リトルガールズ』も良かったですが、この本も何気ない一文の言葉が丹念に選ばれていて素敵だと思いました。紹介されている歌たちが鋭く新鮮で短歌はここまで進化したのかと思いを新たにしました。私も久しぶりに歌を詠みたくなりましたが、今の私の鈍な感性では「生ぬるい」どころではなく、31文字に心などとても託せそうもありません。「未だ見ぬ人への想い載せばやな春や昔の歌の翼に」…PAO。2019/03/20
チェアー
12
自分の歌でも他人の歌でも、思いを重ねられる歌がある。歌は人につながり、人が歌を呼ぶ。歌は楽しいが、続けるのは苦しいことでもある。ことばを極めようとすると、大きな山にぶつかる。その山を見つめながら、一歩ずつ上っていくのが短歌の世界なのだろう。それにしても、結社という仕組みはよくわかんないなー。2019/03/31
れいぽ
9
錦見さんの歌人交遊録エッセイ。引かれている歌がどれも素敵で読みたい歌集が増えました。「さくら 享年十五」の山川藍さん「キッチンで泣く鰐」の池田はるみさんの章は、歌集『いらっしゃい』を持っていたり部長の師匠という繋がりもあって前のめりで読みました。巻末の穂村さんとの対談も2000年以降の短歌史を感じて興味深かったです。岡井先生の髪形で時代が特定されるとは…(笑)2001年1月に始まった超結社の「首都の会」では中澤系さんが歌を集める係だったそうです。錦見さんの心地よい文章で短歌トリビアも楽しめる一冊です。2019/03/24
てくてく
7
短歌をはじめることになったきっかけ、散文でしか書けないことと短歌でしか書けないこと、短歌の世界を広げることになった交友関係(特に女性。仄かに知っている人と歌集で知っている人、あまり知らない人が登場するがどの人も著者の熱烈なラブコールみたいな文章もあって魅力的。)など、短歌のある人生みたいなものが綴られていて楽しく読了した。巻末の対談の飯田有子『リンゴ貫通式』の当時の評価および今だからわかる評価、そして短歌の村の人になるといったことを書いている部分が特に印象的だった。2023/05/09
-
- 和書
- ロマンチカ