出版社内容情報
【世界は踊りだす】
アメリカの風が香り、ちはやぶる神対応がある
現代短歌の美をひらく新鋭歌人の登場!
(加藤治郎)
【5首】
朝焼けのマーキュリーから夕刻のユレイナスへと向く羅針盤
一枚の絨毯みたいなパリの夜の光を掬う航空写真
本心もプラシーボだと笑ったら君は全てを閉ざしたシャーレ
リレハンメルの春夏秋は消えてゆくリレハンメルの冬と唱えば
夜という夜の行き着く朝という朝まで君を抱きしめている
五十子 尚夏[イカゴ ナオカ]
著・文・その他
目次
1(夜という夜;The Moon Also Rises;サテライト;青の時代(あるいは冗長な夏の抒情詩)
ヤンキースの野球帽
リレハンメルの冬)
2(Once Upon A Time…;ムーン・リヴァー;永遠の死;さらば二十世紀)
3(スキゾフレニア;A Thousand Kisses Deep;月のイザベル;ファム・ファタール;More Than You Thought;Arpeggio a la Mode;Directed by Alan Smithee)
著者等紹介
五十子尚夏[イカゴナオカ]
1989年滋賀県生まれ。2015年短歌をはじめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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青色
1
カタカナが多い歌が多くてそれがとても印象的。「子午線に貫かれたる真夜中のルフトハンザに居合わせぬ君」「月高くトラフィックライトの滲む夜 公衆電話に告げるアリバイ」あたりが特に好き2019/01/08
mi
0
白きドレスのなかであなたは比喩となる帆船のごと風を孕んで /ありふれたキス、キス以降、罪と罰、嘘、アダム、イヴ、目覚めれば、朝 /You cry, I scream その度にバイオリンの弦濡らす雨 /地上波に流れるすべてのCMが広瀬すずだとして水曜日 /古傷の痛みを増してゆく雨が無声映画に降る木曜日2020/10/22
わたくるん
0
初の短歌集。本書には324首載っており、こんなに多く載っているんだと驚いた。読む度に感性が刺激されて、好奇心に溢れすぐに読み終わった。 本書は夜や灯りの暗い場面の美しさを表現する短歌が印象的だった。作者の美意識がとても心地よく感じた。 また、本書を読むまで美しき(はしき)という語を知らなかった。すごく響きの良い言葉で綺麗だな感じた。自分なりに発見があって面白かった。2019/05/08




