目次
複葉機の仕組み
会社員たち
重力の誤差
水がおぼえていること
魚のまなこが見上げる世界
出航だ
極楽鳥の卵を奪う
岬を守る
楽団員の死
千年生きる〔ほか〕
著者等紹介
ユキノ進[ユキノススム]
歌人、会社員、草野球選手。1967年生、福岡県出身。九州大学文学部フランス文学科卒業。2014年、第25回歌壇賞次席(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふみ
34
なんと景を景として切り取るのが上手な人なんだろう。特に「水がおぼえていること」ではそれが顕著。大人が大人として生き抜くのは冒険なのだ、と歌集のタイトルから思った。なにやら、興奮冷めやらぬ。ところで「弔砲と敬礼」全部、読んでみたいです<(_ _)>2018/04/27
ロア
23
「ストラップの色で身分が分けられて中本さんは派遣のみどり」「社員ひとり減らして派遣をあとふたり増やす部門の年次計画」「正社員がたらい回しにした仕事を中本さんが黙って捌く」「会議室の片すみで聞く二週間会社に来ない同僚のこと」「おそらくは春には本社に異動だろうと余命を告げるように上司は」「ひさびさの本社のエレベーターのなか五年分死に近づいたおれ」「ここにいない人のゆくえが気にかかる知らない人の増えたオフィスで」「スプーン曲げをいつか酒場でしてくれた先輩は長く病欠らしい」ほむほむとは違う悲哀の会社員ビジネス短歌2018/06/21
太田青磁
19
将来の銀河鉄道接続のための余白が路線図にある・地底湖のみず溢れ出すキッチンでまよなか梨にナイフあてれば・仰向けにプールの底から空を見る 哺乳類を今、休んでいます・島は生きる、島は苛立つ 着岸に溜息のような地鳴りが響く・グリーングリーンまちがえないで吹けたのと電話の向こうで子どもは育つ・残業の一万行のエクセルよ、雪原とおく行く犬橇よ・正社員がたらい回しにした仕事を中本さんが黙って捌く・搾取する一パーセントを敵として連帯してもいいのかおれも・船乗りになりたかったな。コピー機が灯台のようにひかりを送る2018/04/18
Tenouji
9
仕事のことを歌う短歌は、他人事とは無縁。2019/02/02
咲沢魅守
6
どこにでもある、大人ならどこにいたってぶつかる日常なのに、どうしてこんなに寂しく感じるのだろうか。最後の歌を見た時、特に思った。日常、人生を俯瞰して見ることができるというのは才能なのではないかと思う。2018/05/28




