感想・レビュー
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yumicomachi
3
2018年3月刊の第三歌集。第二歌集から30年を経ての上梓となった経緯はあとがきに詳しい。タイトルの通り、ゆたかな水と音楽の気配に満ち、レイアウトも美しい短歌と詩の響きあいを堪能できる。〈みづにけぶるむつききさらぎさざなみの心ゆららにひとをし思へ〉〈とほざかる窓に見えきて町をつつむ二重の虹のほのかなる足〉〈とぴぷるるさへづるみづのうすあかり目瞑りて聴く蝶の羽ばたき〉〈日の暮れのみづの重さにうつむきてささやきかはす紫陽花のかほ〉〈耳のうちに沙しづまりて月のひかりみちくる渚ゆきたきものを〉2019/04/13