内容説明
川津たちが招かれたのは、断崖に建つ「二本の筒が載った家」。彼らを迎えたのは不可解な表札「ヴィラ・アーク」。豪華な館訪問という楽しいはずの旅に、やがて暗雲が漂いはじめ、事件が起こる。消えた黒猫を捜すうちに一人、また一人と行方不明者が…。建物の設計に隠された秘密とは何か?謎は深まる。やがて嵐がおさまり、真相にたどり着いたかに見えたとき、突然、爆発音が轟く。謎は建築家たちによって紐解かれ、最後に明かされる建物の「設計主旨」。館もの本格ミステリーは一転して社会派ミステリーへと姿を変える。第62回江戸川乱歩賞最終候補作。
著者等紹介
家原英生[イエハラヒデオ]
1956年東京都生まれ。福岡県立修猷館高校、九州大学工学部建築学科卒業。一級建築士。日本建築家協会認定登録建築家。九州大学、九州産業大学非常勤講師。2009年、2010年グッドデザイン賞、2010年福岡県美しいまちづくり建築賞大賞、2011年大村市都市景観賞、2012年福岡市都市景観賞、他受賞。2016年「(仮)ヴィラ・アーク設計主旨 VILLA ARC(tentative)」で第62回江戸川乱歩賞最終候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茜
44
一級建築士が設計した館もの本格ミステリーという宣伝文句の本書。これは著者である一級建築士さんからの提案であり挑戦状でもある。一番肝心な「なぜやったのか?」がわかったような、わからなかったような。。。「なぜやったのか?」ではなくて「なぜそうなった?」がですかね。。。でも、こんなトリック使われては私ではお手上げでしたw さすが一級建築士さんが書いた本だと思いました。2017/03/27
みなみ
18
第62回江戸川乱歩賞最終候補作のミステリー。著者は一級建築士なだけあって、詳細な平面図のおかげで館のイメージがしやすかった。「建築は壊れないことが重要なのではない。命を守ることこそがその使命なのだ」という独白が、地震の多い日本ではより重要だと感じる。これまでの館ものと比べると、大胆ではありつつも現実味のある建築なのがすごい。2024/08/26
ふう
10
福岡在住の一級建築士による第62回江戸川乱歩賞最終候補作(受賞は「QJKJQ」。ちなみに出版した書肆侃侃房は福岡本社)。平面図はこれまで読んだミステリの中で見返した度文句なく1位。その甲斐あって2つのズレにはすぐ気付いたが、役割については最後になるほどと納得。ただタイトルやエピソードから色々察せられる部分があったのは少し残念かな。ちょっと間違えばバカミスwになったであろうがこれは紛れも無い館ものの本格ミステリだった(まあ両立できなくはないけど)。2017/12/18
ソルト佐藤
6
一級建築士の館ものということで読んでみる。ちょっと見取り図に興味がある今日この頃。本職の建築士の書いた間取りのせいか、なかなか、過ごしてみたい感じがして楽しい。乱歩賞の職業物のセオリ-(?)どおり、業界のうんちくというか、有名な建物の話もうるさくない程度なので、面白い。ただ、ミステリとしては、事件が起こるまで長い。設計者が建物にいれば、聞けばいいんじゃないのかな? 通常のミステリ的な事件よりも、最後の一章が書きたかっただけですよね?と、つっこみどころも多かったり。2017/06/09
zep
3
プロの建築士による、まさしく本格的な館モノのミステリー。カバーの絵や平面図を眺めながら納得しつつ楽しめる。最初、「なぜ東日本大震災ではなく阪神大震災なのだろう?」と訝ったが、それが伏線だったとは!文中に出てくる調度品や建築物を調べるのも楽しいが、とりわけ北九州市立美術館と、風の丘葬祭場の写真を見てちょっとビックリ。(仮)とついていることにも、納得。江戸川乱歩賞では候補に上がりながら受賞は逃したそうだが、受賞してもおかしくはなかった。2021/11/23
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