目次
1(声;夜濯ぎ;ぬるめ ほか)
2(とおいことば;東北のかたち;この夏のふくしま ほか)
3(箱;諾い;蜜柑のトリ ほか)
著者等紹介
駒田晶子[コマダアキコ]
1974年5月、福島県福島市生まれ。桐朋学園大学短期大学部芸術科音楽専攻卒業。第49回角川短歌賞受賞。『銀河の水』(ながらみ書房)により現代歌人協会賞、ながらみ書房出版賞、宮城県芸術選奨新人賞を受賞。「心の花」所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
279
駒田晶子は、佐佐木幸綱門下で、「心の花」に所属する歌人。基本は生活詠だが、アマチュアと一線を画するのは、歌が単に日々の生活の描写に留まらないことにある。すなわち彼女は歌うことそのことによってこそ自らの生の軌跡を確認するのである。歌いぶりは優しくもありながら、時にはそこはかとない悲愁を帯びる。それは喪われたものへの望郷の想いでもあるだろうか。「福島の誰も帰れぬ地に降る雪はしずかに嵩を増やしぬ」、あるいは「京の夢逢坂の夢東京の夢福島の夢な忘れそ」。いずれも、いうまでもなく震災後の歌である。2024/06/06
燃えつきた棒
30
読友さんから教わった本。 ◯世の中は いたるところに 先生あり 偏屈翁にも 先生はあり/ 僕にできることは、気に入った歌を引用することくらいだが、どうしても 震災の歌が胸に響いて来る。 読友さんが引用されている歌は、あえて外しました。/ 【ものがたりにいらなくなれば死を与えられてしばらく語らるるのみ/ 逃げてった帰ってきた地震ののちに罅われてゆくわれのふるさと/ ふくのしま花も実もある平凡なふるさとともう誰も笑えず/】2024/06/20