著者等紹介
望月裕二郎[モチズキユウジロウ]
1986年東京生まれ。立教大学文学部卒業。2007年から2010年まで早稲田短歌会、2009年から2011年まで短歌同人誌「町」に参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
50
望月裕二郎 短歌 いちどわたしにあつまってくれ最近のわかものもふりそびれた雨も もう夢は耳でみるからはずかしいかたちの水をかけないでいて いまだけのみじかい水をすきかってはしらせる部屋それもわたしの 嘘のちかくにわたしは水をくんでこい庭は小鳥のちからにまかせ 五臓六腑がにえくりかえってぐつぐつのわたしで一風呂あびてかえれよ わたくしが述語とむすびつくまでに耳のおおきな川が一本 これまでに(これってどれだよ)わたくしがみてきたものの半分ていど 返歌 あそこまで(あそこどれだよ)あなたたち創ったものの三割程度2016/12/14
内藤銀ねず
8
書肆侃々房『新鋭短歌シリーズ』の一冊。タイトルがタイトルだけに上梓の時に揉めたそうですが、新しい短歌のスタイルがこの歌集には散りばめられていて、『新鋭』の名に恥じない出来だと思います。或いは問題作と言ってもよいかも。何しろこの作者は山田航さんの『桜前線開架宣言』にばっちり紹介されています。第二歌集、まだかなあ。
たいちーらぶ
6
自分の思いを31音で表現するというよりは、31音の言葉で遊んでいるという感じ。もっともっと色々な歌集を読み込んで、でないと勿体無い。言葉遊びがシュール過ぎて、捉え方がわからない感じのものが多くあった。私の感性が追いついていないのだが…。でも、31音日記の18首はとても面白かった。短歌を作る取っ掛かりとして31音日記はいいと思う。『ペリー公園で昼食。海沿いで育っていたらどうだったかな。』『祖母の一周忌。スズメ、強風のため今朝は庭に姿を見せず。』2022/08/16
おーえ
6
自分と世界の境界線。言葉の認識の境界線。 あと落語っぽさ。 いちどわたしにあつまってくれ最近のわかものもふりそびれた雨も2020/05/08
ひやしなむる
6
「さかみちを全速力でかけおりてうちについたら幕府をひらく」が山形の県立高校入試に使われた、というのをご本人のツイッターで拝見したので再読。あとがきを読んで、生み出された短歌ひとつひとつがしゃぼん玉のようにふわふわと、しかし自分の意思をしっかりと持って、どこかーーそれはもちろん「あそこ」であるーーに向かって浮かんでいく、収まる……そんな風景を想像しました。2017/04/20