新鋭短歌
声、あるいは音のような

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  • サイズ B6判/ページ数 140p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784863851276
  • NDC分類 911.168
  • Cコード C0092

目次

1(かなしくなくて;天体運行図;貯蔵庫 ほか)
2(真っ白;七日間;折れ曲がる影 ほか)
3(哭いてるひと;ホログラフィー;金環日蝕 ほか)

著者等紹介

岸原さや[キシハラサヤ]
静岡県三島市に生まれる。早稲田大学教育学部国語国文科卒。2006年、短歌をつくりはじめる。2007年、未来短歌会に入会。加藤治郎に師事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kaizen@名古屋de朝活読書会

52
#岸原さや #短歌 炎天のまひる汐留しんとして水底あゆむわたくしがいる 銀盤をある日あふれる水のように、かなしみ、怒り、怯えの点滴 砂防林ぬけてひろがるさがみの海しずかにゆれて泣きそうになる さやさやと浸漬(なづ)の木ゆらす琴の音は海の底にもとどくだろうか ざりがにの眠りを見たの横むきに浮いてねむるの深夜の水槽 浅瀬から浅瀬へ渡る風の舟、うつむいて水、あおむいて空2016/08/12

ねこさん

17
この人の短歌が目にとまった。調べてみたら歌集があったので、帰りがけに本屋に立ち寄った。同郷の人だった。読みたいと思うより前、読んであげたいと思いついたことにうれしさを感じる。人はかなしみの中にある時、形、音、味、言葉、あらゆる外的なものを享受できない無機質の身体の内側から、世界を耐えながら眺める。その小さな窓から出した指先に感じるみずみずしい風のにおいのような歌が、記憶の底に堆積する愛おしさや皮膚に残る恐怖を再生してゆく。自分で詠まなくなって久しいが、他者のそれに親密さを感じることもできるのだと知った。2018/02/14

Cell 44

5
「ふみふみと泣く子の夢を今日も見たふみふみとただふみふみと泣く」「宵闇に(ほんとはね)って言いかけて、ふっと(ほんとう)わからなくなる」「いつかみた雲のかたちのゆうぐれにたったひとりのきみをうしなう」「ちり、ちりん、幽かな鈴の音がする土のにおいのほらあなのゆめ」「ああ、だからここにおります廃駅のまばゆいひかりに溶けだしながら」読み終わった後、表紙のタイトルを改めて見てあっと思った。『声、あるいは音のような』たしかにこの歌集に満ちる声は、あるいは音のようだ。ところどころに原形質のような音があふれている……。2015/11/16

はち

5
最初の方はよくわからない歌だらけ。一番印象に残るのは笹井さんの死から作者の母の自殺を描く連作。そして後半の作品はまだわかりやすい。作風が次第に変わって行く。2014/01/26

yumicomachi

4
◇ジャズの音に心の波はせりあがるチャイティー煮たつその火をとめる◇パン屑の白さのようなかなしみをどこにどうして棄てればよいか 純度の高い「かなしみ」を、優しくしかもダイナミックに歌う歌集。〈ここが、私たちの辿り着いた世界である。現代に生きる悲しみを綴った珠玉の作品集〉加藤治郎。(帯文より)2014/12/13

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