感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみ
27
なんというかお手本みたいな短歌。具体にも飛躍にも無理がなくて、タンジブルというかタイトルがぴたっと決まった。しずかに一気読みしました。2018/02/18
kaizen@名古屋de朝活読書会
22
鯨井可菜子 短歌 洗われた夜明けの湖に立つ虹よあと2メートル可愛くなりたい がぼぼんと地下のオフィスの水脈を鳴らして一口分の生きてる 春雨にフードぬらしてぬばたまの路面にかぎわける沈丁花 テーブルに顎のせたまま見つめおり葛根湯はとぷとぷ満ちて お別れの茶会のあとのガレットの屑やわらかに春雨の降る もういちどはたらくための飛行機のコンソメスープと母のおにぎり 春風にほどける糸のたんじぶるさふらんあるふれっどりんでん りんでんは菩提樹だろか科の木かAPGの葵科だろか2016/12/14
はち
6
同い年生まれ、いやそれどころか同じ月生まれの方の歌集。比喩もうまく情景描写も優れている。本歌取りも何首かあったがとても自然。すごいなぁすごいなぁと思いつつ詠んでいた。家族詠がとても良い。家族への愛情が伝わってくる。2013/06/08
駒場
3
なんとなーく日常を、生活を、仕事を照らす感じの短歌集だった。ヤクルト一気する夜もあるよ /風吹かばいよいよ月は澄むばかり静かなる夜 鳴れよ携帯/かっこよく生きる方法思いつめ深夜の無音ヤクルト一気/いいわけはちょっとずつ言うもろもろとはがして食べるバウムクーヘン/ばかを乗せ飛び立つ機体朝焼けってばかのひとみにうつくしすぎる2023/11/01
青色
2
「北風に襟をたてつつ横顔の君はわたしのことで泣かない」「観覧車の上に金星 きょう君が言い出せなかったことのいくつか」特に好き2020/09/13