内容説明
一九五〇年代、若き紡績労働者たちのリアルが甦る!!一九五四(昭和二九)年、基本的人権の確立と労働条件の改善を掲げた近江絹糸人権争議は労働組合側の歴史的な勝利に終わった。争議後、組合は「みんなで書く運動―らくがき運動」を開始。職場や寮に設置されたらくがき帳や投書箱に集まった「らくがき」を素材に、各職場が職場新聞を編集・発行し、その内容に基づいて職場要求闘争が組織された。本書では、「らくがき運動」の中心人物であった辻保治が遺し、大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)が所蔵する近江絹糸紡績労働組合関係資料から、一九五六~五八年、彦根支部で発行された職場新聞六紙を完全翻刻・書籍化した。新聞記事には詩、替え歌、綴り方、小説、漫画などが含まれ、仕事への意見や不満だけでなく、恋や結婚の悩み、故郷への想いなど十代から二十代前半の若者たちの率直な「声」が溢れている。一九五〇年代の社会・文化状況や紡績労働の実態を映し出し、労働運動史のみならず、技術史・文化史・ジェンダー史の観点からも貴重な内容である。当時の労働者の協力を得た解題、脚注付き。
目次
辻保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係)解題
1 『晒練職場新聞』(絹糸紡績 晒練)
2 『蛹粉の中で』(絹糸紡績 製綿・排綿)
3 『ほのお』(絹糸紡績 ガス焼)
4 『ラップ』(綿・スフ紡績 混打綿)
5 『ぼこぼこ』(綿・スフ紡績 精紡)
6 『じんし』(綿・スフ紡績 仕上)
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