内容説明
一匹狼の私立探偵が、前代未聞の犯罪に挑む本格ミステリー。探偵が依頼された事件は、当初、単純な人探しと思われていた。ところが、失踪者の謎の過去と不可解な行動、依頼人の記憶喪失、社長夫人が入院していた特別室に絡む多くの謎、連続ストーカー殺人…。事件は複雑に絡み合っていき、ついに探偵までも襲撃される。事件の鍵は最先端技術のメタヴァースにあった!不屈の探偵が辿り着くのは、犯罪の罠に隠された悲しい真実、そして、希望。真の「消えた女」は誰だったのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
toshi
9
序盤、荻原浩や清水義範の書くライトな探偵小説っぽい雰囲気を目指して失敗したと言った感じで読むのが辛くなる。 そのうえ外来語表記に拘りがあってヴィニール、スウィッチ、ヴィデオ、プライヴェート・・・など読みにくいったらない(だったらオーバーハングはオーヴァーハングって書けよ・・と言いたい)。しばらくして話が動き出すと、あいかわらず痛い比喩や挿話があったりするものの、なんとか物語の世界に入って行けるようになる。核心に迫るにつれハードボイルドの匂いもしだして、中盤からいよいよ本格ミステリーらしくなって行く。 2022/03/10
りんご
7
ハードボイルドに憧れている探偵。作家さんもかな。 内容的には専門的なことも多く力作です。 ストーリー面白く最後まで読ませてくれました。2022/07/26
ひでちん
6
ツイッターで作者御本人にフォローして貰い、それで知り読んだ本。 28歳OL:秋元優子が祖母の高級老人ホームの入居金8500万を一括払いした後失踪。 私立探偵:竜崎隼が優子を探す物語展開。 前半部分、文章が冗長且つ説明文が長く、また、[プライバシー]を「プライヴァシィ」[ベランダ]を「ヴェランダ」等々‥‥終始この様な表記の中々癖がある文章文体で、正直どうなる事かと思ったが、尻上がりに良くなって来て、中盤以降の展開には引き込まれた。 突っ込み所や粗削りな部分多々あるが、今後に充分期待出来る内容だったと思う。2023/01/25
ともちゃん
2
最初、主人公の竜崎は、人を食ったような男で、生意気な奴、と思ってましたが、協力者の智花さんに迷惑が掛かっちゃいけないと、必死で走るシーンに、「ちょっと、コイツ、いい奴じゃない」と思いました。それから、竜崎に好感を持って読み進めると、意外に面白い。読み終わった後、竜崎の優しさにぐっと来ました。竜崎、大スキ。わたし、竜崎の母親くらいの歳なんですが・・・2022/03/24
榎戸 誠
2
傑作である。フィリップ・マウロウに憧れながらも、大きな差があることを自覚している私立探偵・竜崎隼は、小堀和也という青年から失踪した恋人・秋元優子の行方を捜してほしいと依頼される。最初は単純な人捜しと思われたが、優子のヴェイルに包まれた過去と謎の行動に戸惑わされる。クラブ・ホステス時代の優子の客だった業績急上昇中の企業の社長・中西英孝と夫人の麻里恵、麻里恵が特別室に長期入院していた清安真病院の院長・谷原耕造といった人物が入り乱れ、竜崎が襲われたり、小堀が記憶を喪失したりと、ますます謎は深まっていく。 2022/03/19