出版社内容情報
「遊ぼう」っていうと、「遊ぼう」っていう…。小さな命を見つめ続けた優しい女流詩人・金子みすゞ。「若き童謡詩人の巨星」とまで称賛されながら、26歳の若さで世を去った彼女の珠玉の詩100篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
106
ここで初めて読む詩も多かった。優しい言葉で書かれた詩の中にある残酷さや孤独感が印象に残る(「こおろぎ」など)。小学生でもわかる言葉が使われているけれど、表現されていることは深い。イギリスのマザーグースのような味わいを持つ詩もあった。100篇すべてを読むと、金子みすずの人生の重みが伝わってくるような気がした。2014/12/30
月讀命
69
天才は人生を駆け抜ける。天才は、生まれた時からその最期の時を知っていたかように、短い生涯でその能力の全てを発揮する。金子みすゞは、26歳の若さで亡くなってしまったが、もし、もっと長生きしていれば、もっと沢山の素晴らしい作品を残したかどうかはわからない。モーツァルト然り、石川啄木然り、尾崎豊然り、みんな自分の成果をその短い生涯の中に圧縮し成果を凝縮させた。そして彼女は、此岸に素晴らしい遺品を残して、彼岸に旅立っってしまった。天才は、天才ゆえに人生を急ぎすぎる。金子みすゞの素朴で純粋な心で書かれた詩に涙する。2011/09/25
真香@ゆるゆるペース
61
東日本大震災後に繰り返し流れていたACのCMに刷り込まれて、ずっと気になっていた詩人。詩って独特の味わいがあるから苦手という方も一定数いるけれど、彼女の言葉はシンプルでリズム感があって読み心地が良いので、抵抗感なく入りやすい感じ。優しくて瑞々しいメッセージの中に、ふと悲しさや切なさが垣間見えるのだけど、不思議と心洗われるので何回でも読みたくなる。年齢を重ねても、彼女のように素直でピュアな感性をずっと持ち続けていられたら良いなと思った。2018/09/14
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
60
「遊ぼう」っていうと、「遊ぼう」っていう。 「馬鹿」っていうと、「馬鹿」っていう…。 こだまのようにみすゞの想いがリフレインする。2020/12/12
SOHSA
45
《購入本》七五調の穏やかなリズムと幼子の視点での語りは、一見、童謡の態を装ってはいるが、作品の底に渦巻く感情は一筋縄ではいかない複雑なもののようだ。26歳で自ら命を絶った作者の心情が行間に見え隠れする。東日本大震災の直後にCMで多用され、一躍有名になった作者ではあるが、表題作『こだまでしょうか、いいえ、誰でも。』のみならず、秀逸で深遠な作品は多い。2014/08/15
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