目次
序章 都市の可視化へ(全体性への眼差しと都市へのテクスト)
第1章 都市へのテクスト(幼年期としての都市―都市の時代は始まったばかり;都市の様相―都市は三つのサブシステムの統合系 ほか)
第2章 都市空間のイメージ言語(理想都市(IDEAL CITY)―ユートピア、一義性と多義性のはざまで
イメージされる都市―永遠の砂漠とイメージアビリティ ほか)
第3章 都市のある風景へ(建築が書物であった時代―空間の読み手の喪失がもたらしたもの;シカゴ、ソラリスの陽のもとに―モダニズムの生きた証としての都市 ほか)
著者等紹介
後藤伸一[ゴトウシンイチ]
1949年東京・麻布生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了都市計画専攻。建築家・故前川國男に師事し、山梨県立美術館、東京文化会館増築、石垣市民会館、独立後は滝乃川学園成人部棟、パサージュいなぎ、沖縄未病ケアセンターなどの設計・監理を担当。現在は千葉工業大学、東洋大学、明治大学および同大大学院、ものつくり大学、早稲田大学芸術学校などで建築デザイン、都市政策研究、建設倫理などの講義を担当している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どらがあんこ
10
全体像としての都市を描きたいという著者の思いによって引用されたテクストの数は凄まじい。そして膨大な注釈。このテクスト自体がヘテロピーとして人々を引きつけるのではないだろうか。余談だが第3章「江戸・東京」で『都市と都市』を想起するのは私だけではないはず…2018/10/23
Hiromu Yamazaki
0
決して理論化されることのない悲劇を抱えるなか散逸したテクストが詰め込まれたこの著作は「都市論のカタログ」と呼べるだろう。シカゴ学派からルフェーブル、そしてポストモダニズムを概観でき、情報、認知・心理、哲学、地理など様々な視座から対象に眼差しを向けるヒントを与えてくれる導入的材料として良書。シュミラークル・シニフィエ・イゾトピーといった用語は些か乱用されすぎで食傷気味だったが、逆に考えればこれらの言葉に馴染がなくとも徹底された反復と圧倒的量の注釈で乗り切れるということか。2012/11/13