内容説明
臨床の現場では、DNAR指示があれば、心肺蘇生を行わない。DNAR指示が患者の真意なのか、家族の指示ではないのかという疑問がありながら…。他方、医療者は人工呼吸器の着脱については倫理問題として認識し、慎重な対応をする。DNARとの落差はなぜなのか。このような疑問を踏まえて、DNARの倫理問題に、正面から初めて積極的にチャレンジした。
目次
第1章 DNAR指示(なぜDNAR指示について考えなければならないのか;DNARとDNRの違い;DNARの歴史 ほか)
第2章 終末期の延命治療の差し控え・中止(終末期延命治療に関する最近の出来事;適切な“看取り”(延命治療の差し控え・中止)をするために考慮すべき要素
海外の終末期延命治療に関する法的判断 ほか)
第3章 事前指示(患者の自律(自己決定権)と事前指示
事前指示が有用である理由
事前指示作成に際して留意すること ほか)
著者等紹介
箕岡真子[ミノオカマサコ]
東京大学大学院医学研究科医療倫理学分野客員研究員、箕岡医院内科医師。主な研究領域はバイオエシックス、終末期医療の倫理、高齢者の介護倫理、認知症ケアの倫理(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とある内科医
13
再購入の上、再読。DNARという概念の整理と、判例を紹介しながら適正な手続きについて議論されたもの。ただし、対象患者は主に終末期の状況をイメージされており、自分の課題とは異なるテーマ設定であった。現場における悩みは本書で扱われた内容より深い。2025/02/11
紫羊
11
仕事のために読んだ。本人や家族の思いに加え、その時々の状況も影響する。結局のところ都度丁寧に説明と確認。2018/12/19
ヒナコ
5
本書は、CPR(cardio-pulmonary resuscitation)(日本語では心肺蘇生術)に関する、臨床現場での不要指示の概念的枠組みを、医師が解説したものである。 患者の自己決定権に基づいてCPRをしないよう医療者に指示することを、do not attempt resuscitation(略してDNAR)と呼ぶが、この指示は心臓マッサージ・マウストゥマウスによる蘇生・AED除細動を、蘇生の見込みが薄いにも関わらず試みないようにするというものである。(20頁を参照)→2022/03/01
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