内容説明
学習院は「東洋学」の発祥の地であった。京都学習院から華族学校としての学習院へ。明治時代、那珂通世・白鳥庫吉・市村〓(さん)次郎・塩谷温ら「東洋学」の祖は、学習院で教学の日々を過ごした。彼らが集め、また、手にしたであろう漢籍、その後の学習院が収集した本・資料の数々はいまでも学習院大学に蔵されている。本書では、知られざる学習院の「東アジア学」のコレクションを一挙、解説する。
目次
特別展覧会「知識は東アジアの海を渡った―学習院大学コレクションの世界」
第1部 京都学習院
第2部 華族会館と学習院
第3部 明治の学習院と東洋学
第4部 大正・昭和の学習院の学び
第5部 学習院大学の開学、東洋文化研究所の開設
目白キャンパスの歴史ある建物(国登録有形文化財)
コレクション紹介
学習院の東洋学―人・教育・研究
機関紹介〔ほか〕
感想・レビュー
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志村真幸
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2010年に学習院大学の開学60周年を記念して丸善、学習院史料館、雑司ヶ谷アートギャラリーで開催された展覧会の図録。 主として書籍が出品され、唐三彩や壺なども。 漢籍が多い。明代のものから、19世紀末の東西交流に関わるものまで幅広く出ている。朝鮮関連のものも重要なものがあり、戸籍簿や日本統治時代の資料なども。 解説は手抜きなしの専門的なもので、読みごたえがある。 京都学習院時代の蔵書、徳川家達からの寄贈書、研究者たちの収集品と、由来はさまざま。大学コレクションの形成過程として見てもおもしろい。2019/05/22