内容説明
半世紀前「この子らを世の光に」の糸賀一雄、田中昌人らがつくった「療育記録映画」を現代的視点で問い直す。その時代に誕生した「発達保障」のいま、福祉の市場化や教育統制の強まりの中で、もう一度、生の営みを見直すきっかけを。
目次
第1部 発達保障の実践を築く(「夜明け前」につながる重症心身障害児施設の胎動;『夜明け前の子どもたち』と実践をつなげたリーダーの教え;いま、療育は)
第2部 『夜明け前の子どもたち』の製作過程と映画スタッフたち―異色のドキュメンタリーとその波紋(『夜明け前の子どもたち』への序奏―近江学園・びわこ学園と映像記録;『夜明け前の子どもたち』の製作過程―『進歩における極微の世界』からの出発;療育実践と記録の歯車―撮影の過程を中心に;ぶつかりあう思いと編集の過程;『夜明け前の子どもたち』の上映とその後のスタッフたち―それぞれの『夜明け前の子どもたち』)
第3部 あらためて『夜明け前の子どもたち』の発達の世界に迫る(「心の発見」から目をそらせることなく…;「心の窓」を吹き抜ける風をもとめて;しもちゃん・りょうちゃん・なべちゃん・うえだくん、そして私たちの発達…)
著者等紹介
田村和宏[タムラカズヒロ]
1962年に生まれる。大学のゼミ・サークルなどで障害者福祉や人間発達の科学にふれ、障害者福祉の世界へ。卒業後、社会福祉法人びわこ学園に就職し重症児施設指導員、通所施設支援員、相談支援、びわこ学園障害者支援センター所長などに従事する。2015年、立命館大学産業社会学部に着任、准教授。障害者福祉論を講義
玉村公二彦[タマムラクニヒコ]
1956年に出生。養護学校教育の義務制実施、国際障害者年、国連障害者の10年の時期に、大学・大学院で学ぶ。教育方法史から児童問題史へ志向し、障害児教育実践の歴史把握を課題とするにいたる。1988年、奈良教育大学着任。障害児教育方法学を講義。教材・教具の製作から授業研究、障害者権利条約の研究まで広がることとなる。現在、障害のある子どもの教育の蓄積の歴史的な整理へ収斂するよう修正中。奈良教育大学教授
中村隆一[ナカムラリュウイチ]
1954年に出生。1977年、大学卒業後、大津市役所で乳幼児の発達相談に携わる。2006年、大津市役所を退職。退職後、大津市立知的障害児者地域生活支援センターで主として成人期の発達相談を担当。同時に、立命館大学応用人間科学研究科教授。他に人間発達研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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