内容説明
高知新聞連載の人気エッセー、待望の書籍化!連載70篇に新たな30篇書き下ろし。元牧野植物園デザイナーがつづるボタニカルな日常。
目次
2018年(通勤という名の散歩(8月15日)
ようこそ「キュー劇場」へ(8月22日)
仕事場は北の4畳半(8月29日) ほか)
2019年(内藤廣さんとの30年(1月9日)
牧野博士、最期の13分(1月16日)
牧野博士の「心・技・体・笑」(1月23日) ほか)
2020年(枇杷の実るころ(6月3日)
植物は、うごく?(6月10日)
庭のチェシャ猫(6月17日) ほか)
おわりに 101回目の水曜日に(2023年10月18日)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チェアー
5
題材も文章もいい。 亡くなった友人と、安芸市で出会った「ターコ」の話が特にいい。 牧野植物園にも行きたくなる。きっと新たな目で見ることができるだろう。 絵もいいし、装丁とデザインもいい。何回か読み返したくなる。 2024/05/15
カエル子
4
高知の本屋で購入。高知へUターンして、牧野植物園で働いて、その間に鬱になってデザインの仕事から距離を置き、牧野博士と植物たちと奥様のおかげでじわじわ復活したデザイナーさんが定年間際やコロナ渦中の日常を綴った新聞連載が読み応えのある1冊になってます。ご自分で書かれている挿絵がステキで、やっぱり絵を描けるって良いな~とうらやましくなった。あと、「居酒屋読書会」わたしもやりたい笑。賛同してくれる人が見つかったら速攻やりたい。連絡を待つ(誰とはなしに)2024/05/16
plum
1
高知新聞の朝刊掲載2018~2019の70話と新規30話がまとめてある。博物館の展示デザイン;知られてないものに光をあてるp234。牧野植物園の展示デザイナー。知識や技能が受け継がれていく「車座」という空間p106を意識したとある。ミニチュアになっていた牧野少年を思い出した。地球と触れ合う地下足袋p212。高知県には安藤桃子も移住しているし,開けた風土なのかなと思った。著者は高知出身だけれど。2024/04/30
るな
0
著者は展示デザイナー。思い出深い人との交流、牧野富太郎博士に対する敬愛、家族との絆、地元愛、幼少期の回想、デザイナーとしてのポリシーなど、100篇の小話に著者の人生も人生観もギュッと詰まっていて感銘深い。一言で言うと何ものをも慈しむ生活態度が素敵だ。仕事上のパートナーでもある奥さんとの仲睦まじさも微笑ましい。奥さんとは常に行動を共にし里見さんが噛みしめる幸福の多くはこの奥さんあってのもの。定年退職後に書かれた本だけに親しかった人の死による別れや時代の変化によって失われたものも多く登場する。その哀感もいい。2024/03/29