内容説明
記憶すらあいまいになったとき、ある存在が唯一の存在であることの根拠は何なのか。クィアSF小説作家による雑種なアンソロジーの初邦訳。
著者等紹介
洪凌[ホンリン]
1971年台湾台中生まれ。台湾を代表するクィアSF小説作家。台湾大学外文系卒。英国サセックス大学にて修士号、香港中文大学にて博士号取得。現在国立中興大学人文社会科学研究センター博士後研究員。小説、評論、翻訳、あるいは学術論述など多岐にわたる活動を旺盛に展開中
櫻庭ゆみ子[サクラバユミコ]
慶應義塾大学准教授。専門は中国現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すけきよ
7
台湾クィアSF短篇集。目次を見て嫌な予感が……。「中二臭ぇ……」との悪寒どおり、内容は、士郎正宗っぽかったり、『アンダーワールド』っぽかったり。好意的に書くなら、中国的な息の長い文体で、遠未来の歴史を、現在のオタクカルチャーのガジェットを借りて描いている、という感じかな。また、作者がトランスジェンダー(?)だからなのか、キャラクターの性別が捉えきれないのも特徴。とにかく最後までハマれず、終盤になって、『攻殻』というよりは『オリオン』か、と脳内変化したら幾分読みやすくなったんだけど、時すでに遅し。2013/05/28
ゐ こんかにぺ
0
"クィア本と思うとすっごくやけどする!ハイファンタジー耐性ないとかなりきっついかもしんない。 でもすごいものみた。時間と空間の行き来やIfの世界観の用意の仕方、スケールなどなどは本当にすごい。すごい。 著者はかなりイケメン"2017/06/18
takizawa
0
台湾のSF小説。正統派SFというよりは、普通だったらアニメやマンガで表現するような世界観(攻殻機動隊のような)を美しい文章で書いてみたという感じかな。説明が少ないので、作者と似たような嗜好や読書経験を持つ人を除けばかなり読みづらいと思う。ある種の不快感・嫌悪感すら覚えるような描写には、トランスジェンダーの作者によるパフォーマティブな撹乱行為のような意図すら感じられる。厨二病乙と片付けるにはちょっと勿体ない、そんな小説。2018/10/21