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内容説明
時は1977年、東南アジアの小国ラオス。国で唯一の検死官である72歳になるシリ先生は、灼熱の太陽のもと今日も死体と格闘していた―。自転車に相乗りした二人の謎の死人が運ばれてきたのを皮切りに、猛獣に首を咬みつかれ息絶えた女性が続けて現れるなど不可解な事件が頻発する。黒焦げ死体がみつかった古都ルアン・パバーンに赴いたシリは、魔力的なその地で三十三本の歯の秘密を知るのだったが…。現世と霊魂の異世界が渾然一体となった摩訶不思議な世界で繰り広げられる、霊魂ドクター面目躍如の活躍。ヒューマンな魅力あふれる極上のユーモア・ミステリー。
著者等紹介
コッタリル,コリン[コッタリル,コリン][Cotterill,Colin]
1952年ロンドン生まれ。教師をしながらイスラエル、オーストラリア、日本等を転々としたあと、東南アジアでユネスコやNGO活動の一環として、児童虐待の被害者を救援する活動にあたる。ライフワークとする小説や漫画の執筆を続けていたが、2004年に発表された『老検死官シリ先生がゆく』がフランス国鉄が主催するSNCFミステリー賞を受賞したのをはじめ、世界各国で大きな注目をあつめた。現在はタイに在住、「シリ先生」シリーズを継続して執筆するかたわら、タイを舞台に女性犯罪リポーターが活躍する新シリーズも発表している
雨沢泰[アメザワヤスシ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
97
「暑いね」と言えば「暑すぎる」と返す。まさに今、共感できるラオスの挨拶。熱風がまとわりつくアジアの片隅で起きる、奇怪な殺人事件の数々。前作よりもオカルト色が強くなった気がする。読み進むほどに想像の及ばない展開を見せ、先がまったく読めない。シリーズはもう10作出ているらしいが、邦訳の予定はないのかな。シリ先生始めユニークな登場人物の面々にまた会いたい。2016/08/20
Panzer Leader
27
本作も期待にたがわず面白かった。普段はノホホンとしているが、やるべき時には老骨の気概を見せてくれるシリ先生は最高のキャラクター。本書を教えてくれた読み友さん達に感謝すると共に、こんな上質なアジアン・ユーモア・ミステリーがまだ8作も未訳とは、勿体無いもいいとこ。2016/03/14
わたなべよしお
19
何というか、いいなぁ、この本。味わいがあって、ラオスが舞台というのもいいし、斜に構えたというか、温かみのあるドライなジョークも笑える。「渚の忘れ物」でも書いたけど、とにかく登場人物たちが魅力的だ。シリ先生の周囲の人だけでなく、元国王も良かったし、何たって犬のサル-プ。泣かせてくれるぜ。シリ先生シリーズというか、コッタリルの作品は全部、翻訳して発売してほしい。2015/04/02
あつぼう
16
この表紙、このタイトルを見て老検死官シリ先生の続編とは思わないですよね。1作目ラオス人民民主共和国を舞台にシリ先生のユーモア溢れる会話と魅力的な登場人物、そして何よりも日本人からは想像出来ないラオスの生活を読む事が出来て面白かったです。この2作目になって魔術や霊的な展開が前面に出てきたのでちょっとビックリ。まぁ~ラオスならあり得るかなって展開なんで無理なく読めたけど好き嫌いはハッキリするかな。このまま行くと霊感検死官になってしまいそうな気もするけどこの先も翻訳されるのかが不安です。2012/10/18
やどかり
15
登場人物たちのユーモアがあって、ちょっとシニカルな会話が1作目と変わらずおもしろい。シリ先生の霊感がますます研ぎすまされ、検死官というより霊媒で事件を解決しているみたい。ラオス人民民主共和国が樹立され、座を追われた王様との会話がなんとも寂しかったな。次回作も楽しみだけれど、まずは翻訳されることを願う!訳者のあとがきを読んでいると微妙な感じ。。2013/05/17




