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内容説明
17世紀、ヴェネツィアに比類なき技をもつガラス職人がいた。当時ムラーノ島で作られるガラス製品は共和国の宝であり、その製法は門外不出、ガラス職人は生涯島を出ることを許されなかった―。現在、英国で暮らすレオノーラは離婚を機に、亡き父の故郷ヴェネツィアでガラス職人として生きようとしていた。祖先コラディーノ・マニンは今も語り継がれるムラーノ島屈指の名匠だった。その名のおかげでガラス工房に職を得るが、仕事仲間はマニンの子孫と知るや彼女を拒絶する。彼女の知らないコラディーノの秘密とは?警官アレッサンドロと共に彼女は自分のルーツを、謎めいた祖先の過去を辿りはじめるが…。
著者等紹介
フィオラート,マリーナ[フィオラート,マリーナ][Fiorato,Marina]
英国生まれ。オックスフォード大学で歴史学、ヴェネツィア大学文学部でシェイクスピアを専攻、その後アート・デザインを学び、イラストレーター、俳優、映画評論家として活躍。U2やローリングストーンズのツアー宣伝用の映画製作にも携わる。2008年、『水の血脈』で作家デビューを果たす。夫と息子、娘とともにロンドン在住
酒井裕美[サカイヒロミ]
神奈川県出身。早稲田大学卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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nirokuya
2
過去のガラス職人コラディーノ・マニンと現代のガラスアーティスト、レオノーラ・マニン。二人を繋ぐのは血脈だけでなく、コラディーノの作ったガラスのハート。最近多いのか前々から多いのか、過去と現在を交錯させて物語を進めるパターン。歴史に埋もれた謎を現代で解き明かす内に喪失しかかっていたレオノーラ自身のアイデンティティと向き合い再度確立させていく。現代のロマンスよりも過去のコラディーノメインの物語を読みたかったかも。以前訪れたヴェネツィアの情景を思い出せたのは良かった。2012/03/22
m_akagenoanne
1
ミステリーでもなく恋愛ものでもなく… 19世紀の天才ガラス職人コラディーノと今を生きるレオノーラを軸に、17世紀のヴェネツィアと現代を交錯させながら物語は進む。サン・マルコ、サン・ザッカリ、サンタマリア・デッラ・サルーテ、スキアヴォーニ河岸、ピエタ教会やサンジョルジョ・マジョーレといったヴェネツィアの名所と共に何度か廻った道を懐かしく思いだした。
黒崎ディートリッヒ
0
17世紀ヴェネチアの天才的ガラス職人、コラディーノの子孫で、同じくガラス職人のレオノーラは、離婚をきっかけにヴェネチアで仕事を続けようとするが、仕事仲間は彼女がコラディーノの子孫だと知った瞬間、彼女を拒絶。その理由を求めて、レオノーラは警官アレクサンドロと先祖の謎を追求することに?! 17世紀と現代、時空を超えたミステリアスなヒストリカル・ロマンス。イギリス人ヒロインがイタリアでたどる先祖の謎と、彼女の恋を描いた物語。国籍はイギリスでも、レオノーラはイタリア人の血を引くためか、イタリア人らしい気がした。2014/07/27
livres
0
水の血脈って何???原題は、「THE GLASSBLOWER OF MURANOってなってるから、誰かが、わざわざこの邦題を付けたんだ?昭和の財閥ドラマにありそうなタイトルで、う~ん。本の紹介や、このタイトルよりは、面白い気がするけど。そして、赤いガラスのハートも、たぶんこの表紙より素敵だと思う。イタリアにハマっている今だから予約したけど、そうじゃなかったら手に取る機会がないかも。読み終わった今も、面白かったのかどうか、よくわからない…。今と昔、どっちも広く浅くみたいになっちゃったからかな?2012/07/11