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内容説明
ある日匿名の紳士から、大学進学の援助を受けることになったジュディ。条件は月に一度大学のようすを手紙で知らせることと、けっして紳士の素性を探らないこと。孤児院育ちのジュディは、彼を“あしながおじさま”と呼ぶことに決め、返事の返ってこない手紙を投函しつづける。そこに切りとられるのは、新しい日々の無邪気な発見とみずみずしい喜び、茶目っ気あふれる寮生活、涙が出るような初恋の切なさ、そして、思うようにはいかないこの世界で、ひとりの女の子が生きていくためのかろやかな哲学―新訳で贈る“おとなの少女文学”シリーズ第2弾。
著者等紹介
ウェブスター,ジーン[ウェブスター,ジーン][Webster,Jean]
1876年、ニューヨークにて誕生。大学在学中に本格的にペンをとって以来、卒業後もフリーのライターとして執筆を続け、27歳の時に短編集『おちゃめなパッティ大学へ行く』を出版。36歳の時『あしながおじさん』で一気にスター作家へとのぼりつめる。8年の婚約期間をへて法律家マキニー氏と結婚。しかしそれから1年後の1916年、娘を出産した2日後に死去
石原未奈子[イシハラミナコ]
広島県出身。東京外国語大学外国語学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
caramel
17
ジュディは大学生なのにまるで少女のよう。純粋で感化されやすく、夢みる女の子。毎日が初めてのことばかりに囲まれて、驚きばかり。本書はジュディからおじさまへの手紙でほぼできている。日々学んだことが文に反映されて微笑ましい。文はジュディ目線なので、おじさまはそのときによって優しそうだったり頑固で意地悪そうに書かれたりと色々変わるが、スミス氏がジュディの手紙を優しい気持ちで読んでる様子が目に浮かんだ。最後まで読んだ時、途中の場面を思い出して胸が熱くなった。邦題の『あしながおじさん』というのが優しいイメージでいい。2014/02/22
ネフェルティア
13
子供の頃は「親切なおじさんは実は若い男性だったのね」程度の感想しかなかったのに、大人になって再読すると、手紙に色々な感情が詰まっている事を改めて発見。孤児院で育ったジュディが、他の子達が当たり前に知っている事を自分が知らないという焦燥感、勉学の苦労と楽しさ、家族のない孤独感、ジャーヴィ坊ちゃんに対する気持ち、そしてあしながおじさんが何故マクブライド家の招待を断ってロックウィロー農場で夏を過ごすように指示したのか。子供の時に読み落とした、手紙の中にびっしり詰まった感情の洪水に今更ながらびっくりした2012/01/20
わをん
12
有名なお話なのに読む機会に恵まれず。本屋で見つけた表紙があまりにも可愛らしくて購入して、数年本棚に眠らせたままになっていました。大人になってから初めて読むことになり、もっと早く十代の頃に読んでおきたかった、地団駄を踏むほど悔しいです。今読んでもこんなにも素晴らしい物語なのだから、少女の頃に読むことができたらどんなに心豊かになれたか。ジュディもあしながおじさんも可愛らしい。あしながおじさんと会えないジュディが手紙に綴ることで物語は始まり、終わる。だからこそ読者が自分だけのあしながおじさんを想像して楽しめる2015/08/21
花野
9
おじさまのダンディさとジュディの自分の気持ちに真っ直ぐな気質にハートをきゅうっと掴まれました…。初っ端からおじさまに夢中なことがありありと滲み出るジュディの手紙をおじさまがどんな思いで読んでいたか想像するだけでにやにやがとまりません。溌剌としたジュディの思考回路がもう大変好きです!2013/02/10
ユキタ
9
世界名作劇場で放映された頃に読んだきりのこの作品、今読み返してみると……なんて可愛らしい物語だったんだろう。とんでもなく萌える(笑)!子どもの頃の読解力じゃ、印刷された言葉をその通りに受け止めるばかりだったわ。今なら分かる、ジャーヴィ坊っちゃんの大人げなさww2012/11/20