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内容説明
ある日突然、14歳のシンシアだけを残して両親と兄、一家全員が姿を消した。それから25年、シンシアはわたしと結婚しつつましくも平和な家庭を築いていた。しかし、心の傷が癒されることはなく、彼女はいまも真実を求め続けている。そんななか、あるテレビ番組に出演したことを機に不可解な出来事が起こりはじめ、関係者が次々と殺される。はたして25年前の失踪事件と関係があるのか?シンシアとの関係が危ぶまれるなか、わたしは家族を守るべく立ち上がったが、そこに浮かびあがってきたのはシンシアの人生を翻弄してきた驚愕の事実だった…。失われた家族の悲劇を描く傑作スリラー。
著者等紹介
バークレイ,リンウッド[バークレイ,リンウッド][Barclay,Linwood]
トロント在住。新聞社に勤務するかたわら、1990年代にノンフィクション作家として活躍。2004年にミステリ作家としてのキャリアをスタートさせ、2007年に出版された『失踪家族』で、一躍国際的な注目を集める。その後も意欲的な創作活動を続けている
高山祥子[タカヤマショウコ]
翻訳家。成城大学文芸学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白のヒメ
46
前の日にお酒を飲んで酔っ払ってこっぴどく怒られた14歳の思春期の少女。朝起きてみたら家に誰もいなかった。お父さんも、お母さんも、お兄さんも。反省して一人学校に行って家に帰ってきても、誰も家にはいない。一日経っても数日経っても、数年経っても、誰も帰ってこない。一体どうして?胸に迫るような切なさをはらむサスペンス・・・私的には、最近類を見ない良作でした。こういう緊張感から始まった物語って、たいてい最後はグダグダになりがちなのだけれど、550ページを過ぎる最後の最後まで読ませて、本当に面白かったです。2019/08/16
白玉あずき
35
信用ならない語り手か、はたまたミュンヒハウゼン症候群もどきか、軽いミスリードの仕込みに緊張感があった。ただの「英語教師」の主人公、あまりに良い人なのは盛った感満載だが、なかなかやるなぁ。最後の一ひねりを含めてまあ良く練られていて面白い良作。2019/11/09
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
24
面白すぎて、読んでいない時も気になって気になってどうしようもなく、あっと言う間に読み終わってしまった。14歳のシンシアが朝目覚めると、父母兄がいなくなっていた。荒らされた様子もなく、旅行に行った形跡もなく。やがて結婚したシンシアに不穏な出来事が起き始める。シンシアを含めて出てくる人が全て疑わしく、(いつもの事だが)何が何だかわからない。でも登場人物は多くないので、わかりやすくもある。でもアメリカの作品を読むと皆自分の主張をヒステリックなまでに主張する。国民性なのかしら。2018/08/14
barabara
13
一夜開けたら、自分以外の家族が忽然と消えた。どこへ向かうか全く予想がつかない展開で、グイグイと読者を引っ張るかなりサスペンス風味が効いた良書でした。海外モノは途中から必ずダレたり、内容が異国チックでついていけなかったりるのですが、この本は舞台はアメリカでも、日本人が読んでもストンとストーリ自体が自然に入って来るので、余計な余所見をせず、先の興味に惹かれて分厚いページもあっと言う間に終了。結末も綺麗に優しくまとめられて、読後感も最高。久々にのめりこめた海外モノでした。完2012/04/03
たこやき
9
物語の設定と情報の示し方が非常に巧い。14歳の少女を一人残し、家族が失踪という事件をプロローグで示したあとは、日常の延長にありながらも、少しずつ判明する事実と、新たな事件で、少しずつ非日常へ放り込まれる。主人公が、残された少女ではなく、その夫というのも、妻を守ろうとしながらも様々な部分で、妻への疑惑を捨てられない、という緊張感に繋がって◎。真相そのものは、全くの予想外、ではないものの、しっかりとまとめ上げたように思う。キーパーソンが、あまりに情けないのはご愛敬だが、全体を通して十分楽しめた。2011/05/11