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内容説明
「母さんを、ぼくは許せるだろうか?」幼い時から実母による虐待を受け続けたのち、里子として偏見と差別のなかで成長し、18歳で空軍に入隊したデイヴ。かつてはヒーローだった父親が哀しい死を遂げ、結婚生活もまた悲劇に終わる。それでも、最愛の息子スティーヴンとのふれあいを通じて、癒されてゆく。そして、ついに母親との再会を決意。憎しみと許しのはざまで苦悩しつつも、人生最大の問いかけ―「なぜ、ぼくを虐待したのか?」と尋ねるために…。虐待体験者がトラウマを乗り越え、人間として生まれ変わるまでの魂の軌跡。
目次
“It”だったころ
大空を飛んで
父さんから手紙
悲しい再会
さよなら父さん
それぞれの痛み
母さんの過去
はじめての恋
神様からの贈りもの
最後の対決
世界中の“It”のために
母さんの死
切れた絆
マーシャとの出逢い
そして、ロシア川のほとりで
さよなら“It”と呼ばれた子
著者等紹介
ペルザー,デイヴ[ペルザー,デイヴ][Pelzer,Dave]
カリフォルニア州デイリーシティに生まれる。州史上最悪といわれた児童虐待を生きのび、その後、米空軍に入隊。一方で、自らの経験を活かして、カリフォルニア州各地の児童自立支援施設および青年援助プログラムで活動を続ける。児童虐待にたいする一般の認識の向上およびその防止に力を注いだとして、米国内で高い評価を得ている
田栗美奈子[タグリミナコ]
翻訳家。お茶の水女子大学英文科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
40
きっかけは何でもないことだった。漸く母親から語られた壮絶な虐待の背景、そしてデイビッドへ向けた感情の正体。しかしどんな理由があったとしても、今更言い繕っても、虐待の罪は消えない。許されない。大人になっても母親の呪縛に苦しめられる心の傷はどこまでも深い。正直、病気になった実父を慕い愛がどれほどのものか涙ながらに訴え、寧ろ感謝さえしている彼に衝撃を受けた。虐待を目の前で見ていて見ないふり…どころか見捨てて逃げ出した、そんな父親は母親と同罪じゃないのか?と。結婚、離婚、再婚し、今は幸せ。だっだらいいのだけれど。2020/11/03
ほうき星
8
一気に読みました。一作目から、主人公の母親の異常さに、もしかしたらと最後まで思っていたことが三作目で書かれていました。連鎖はあるのですね。虐待に関しては<連鎖>は重要なポイントと言われています。悲しい体験であるはずなのに、なぜ?なぜ繰り返してしまうの?自分自身を知ることで、理解してくれる人達との出会いもあり、困難を乗り越えて、自分自身を再生していく姿に、人間には可能性があるんだと教えられたきがします。多くの人に読んで欲しいシリーズです。2014/03/20
ホレイシア
7
とりあえず最後まで読まないと気持ち悪いので読了。典型的な「連鎖」の例ですな。どこかで終わらせなければ未来はない、と。「許す」というのは人間の感情の中で相当難しい部分のような気がするので、そういう意味では素直にすごい人だと思いますです、はい。2013/02/15
ヤナギ
4
デイビッドの自分を犠牲にして他人を思いやる優しさは素晴らしいと思った。虐待という辛い体験を乗り越えたからこそ他人の痛みや苦しみがわかるのだと思った。シリーズ全て読んだがデイビッドを心から尊敬した。2007/02/13
Mazza
2
嫌な世の中。2016/07/28




