ヴィレッジブックス
凍える海―極寒を24ヶ月間生き抜いた男たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 278p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784863320239
  • NDC分類 986
  • Cコード C0197

内容説明

このままでは全滅だ―1912年8月28日、聖アンナ号は23名の乗務員を乗せ、過去一度しか成し遂げられていない北東航路横断の栄誉を狙うため、ロシア・サンクトペテルブルクを出航した。しかし出発から2ヶ月たらずで、聖アンナ号はカラ海の浮氷に閉じ込められてしまう。航海士アルバーノフは同志を集め、北極からの脱出計画を実行に移すが、食料は刻々と減っていく。そして、生き延びようともがく彼らの前には、さらなる過酷な運命が待ち受けていた!永き時を超えてよみがえった、ある航海士の壮絶なるサバイバルの記録。

目次

聖アンナ号をあとにした理由
脱出行の準備
船上で過ごす最後の半日
極氷を越えて
船乗りバイエフの死、深まる落胆、進む衰弱
南へ流される
おーい、陸だぞ!
アレキサンドラ・ランド
フローラ岬へ、運命の旅
フローラ岬、ジャクソン・キャンプ
フローラ岬での越冬準備
船だぞー!
フランツ・ヨセフ諸島をあとにして

著者等紹介

アルバーノフ,ヴァレリアン[アルバーノフ,ヴァレリアン][Albanov,Valerian]
1881年、ロシアのヴォロネジに生まれる。1904年、サンクトペテルブルク海軍学校を卒業。1912年、北東航路の通過を狙い聖アンナ号に乗船し、カラ海の浮氷に閉じ込められるが、2年後に生還を果たす。脱出行の最中に書いていた日記を元にして『凍える海』を書き上げた。出版から2年後の1919年に亡くなった

海津正彦[カイツマサヒコ]
1945年、東京・八王子に生まれる。早稲田大学政経学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

youyou88

15
1912年ロシアの船「聖アンナ号」は北東航路横断のたびに出た。 ところが出発して二ヶ月も経たないうちに、氷の海に閉じ込められてしまう。 春になり夏になり二度目の冬を迎える。 いやぁ、しかし人間の生きたいという想いはどんな困難をも凌駕するね。 実際こうなった時に私が生き延びる可能性は0%やと思ったわ。 https://ameblo.jp/harayou1223/entry-11327375627.html2022/10/13

星落秋風五丈原

9
海の中の綺麗な魚達が泳ぐのは見たい。でも、深く潜れば潜るほど、圧力がかかる中で、流されずに動かなきゃならないダイビングは怖い。水は生命の源だが、反面、恐ろしい力で生命を奪ってゆく。優しさと、厳しさを併せ持つ水。でも、水に限らず、自然はその両面を持っている。それでも、人間は、厳しい自然に挑まずにはいられない。本書の著者、アルバーノフも、そんな自然に挑戦した一人である。救いのロシア船を見つけたのに、第一次世界大戦の勃発により、敵船と間違われてしまう。「これドラマにすると面白い」と思わせるエピソードがいっぱい。2008/06/04

tan_keikei

3
北極海で氷に閉じ込められた機帆船で2年間漂流、船にとどまることを主張する船長と袂を分かち、同志とともに凍れる北極海を踏破することを選んだ機関長の手記。類書にエンデュアランス号漂流記(あれは南極海)がありますが、強いリーダーのもと一致団結したあちらとは違い、こちらは逃亡者は出るわ、盗みはあるわ、怠けるわ、それを筆者が罵るわ…と不協和音だらけの寒冷地踏破ものとなっています。しかし極限状態の人間像を描いたものとしてはこちらの方が生々しく真に迫っている気がします。2013/04/28

tai65

2
星4・52018/06/26

うたまる

2
北極海で浮氷に囚われた船を脱し、陸地への生還を果たしたロシア人航海士の体験記。今まで多くの生還物を読んできたけど、自然や行程の過酷さよりも人間関係の難しさをこれほど強調している本は他に無かった。厳寒の北極以上に著者と仲間との関係が冷え切っていて身震いするほど。確かに危機感薄く愚鈍な姿にはイラつくだろうが、「愚図・無能・品性のかけらもない」との弁は容赦無さ過ぎで、どっちもどっち感が強い。しかし、ハリウッド的英雄譚でなく、少年ジャンプ的友情ストーリーでもない、こういう身も蓋もないリアルな話が大好物なんです。2016/05/07

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