感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
6
19世紀半ば、イギリスで「ドイツがイギリスに侵攻してきて、敗北する」という小説が発表され、一大センセーションをイギリス社会に巻き起こした。この小説は、普仏戦争でヨーロッパ最強の陸軍を持つと思われていたフランスを、国力では劣るはずのプロイセン中心のドイツが打ち破った衝撃を背景にしており、以後似たような「イギリスが外国に侵略される」という多くの小説を生み出す。この「侵攻小説」と呼ばれたジャンルの小説を、英文学研究家が考察している。元々が博士論文に加筆修正したものなので、文章は固いが日本では類例のない内容で貴重2021/09/08