エレファントム―象はなぜ遠い記憶を語るのか

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  • サイズ B6判/ページ数 360p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784863240155
  • NDC分類 489.7
  • Cコード C0098

内容説明

2000年、ワトソンが少年時代を過ごした南アフリカ、クニスナの森で大母(メイトリアーク)と名づけられた一頭の象が姿を消した。最後に残された象を探し、彼が向かった先は…。幼少期の不思議な体験と、アフリカに込めた思いがここに結晶する。象の魂(エレファントム)が漂う大地を舞台にした、ワトソン渾身の作品。

目次

第1章 白い象を見た少年
第2章 羊の皮を着た男
第3章 「火遊び」をした日
第4章 象たちの受難
第5章 追跡の果て
第6章 クニスナの太母
第7章 時空を超えて

著者等紹介

ワトソン,ライアル[ワトソン,ライアル][Watson,Lyall]
1939年アフリカ・モザンビーク生まれ。南アフリカ、オランダ、ドイツ、イギリス等で学問を修め、動物行動学の博士号のほか、生態学、植物学、心理学など10の学位を持つ。人間界における超常現象を収集し、「新自然学」の確立をめざす。ヨハネスブルグ動物園園長、英国国営放送(BBC)のプロデューサー、ライフサイエンス財団理事などを歴任。クジラやイルカの行動学研究も駆使し、一環して「生命」と「意識」を結ぶ神秘を追求する。1973年発表の『スーパーネイチュア』が全世界で100万部を超えるベストセラーに。本格的執筆活動に入る。2008年、永眠

福岡伸一[フクオカシンイチ]
1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ロックフェラー大学研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学理工学部化学・生命科学科教授。専門分野で論文を発表するかたわら一般向け著作・翻訳も手がける。著書に『もう牛を食べても安心か』(文春新書、科学ジャーナリスト賞)、『プリオン説はほんとうか?』(講談社ブルーバックス、講談社出版文化賞)『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)は、ベストセラーとなり、2007年度サントリー学芸賞および、中央公論新書大賞を受賞

高橋紀子[タカハシノリコ]
翻訳家。WEB開発者。京都大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bartleby

15
ライアル・ワトソンと、彼が子供時代を過ごした南アフリカの記憶。そして象をめぐる神秘体験。福岡伸一訳。象の能力に対して著者が感情移入しまくりであるが、これを科学的に記述したらたいそうつまらないものになるだろう。著者は象に意識を見ることについて、そうしないと理解を深めるチャンスを逃してしまう、と書く。わからないことはわからないままに、揚げ足を取らずに楽しみたいと思いながら読んだ。とても美しい文章だと思う2023/10/17

Sakie

15
海に臨む象の姿が心に残る。地位ある者も貧しき者も欧米人も現地人も、皆して象を狩った長い時代の果てに南アフリカの今がある。著者はローレンツに教えを乞う機会を得ながら拒み、デズモンド・モリスに師事して動物行動学を学んだ。象を"自然の生んだ大天使"と呼ぶ。その歴史や生態を追ったのは、著者が幼い頃出会った白い象と!カンマの記憶があったからだ。象は遊び、おどけ、怒り、超低周波音や足音を使ってはるか遠くの象と意思疎通する。象のことを理解したいならこちらをお勧めしたい。人間の知らないことはまだまだあるに違いないから。2021/12/28

ヨクト

12
専門書というよりも著者の象にまつわるエッセイのような本だった。反面、もっと専門的な内容もほしかった。読みやすく、象への愛が伝わってくる。動物園でしか馴染みのない象。頭がよく芸を行っている象。崇められる象。体が大きい理由からだけであろうか。まだ解明できていない神秘的な行動。そういったものに人間は畏怖し、崇拝したのだろうか。いろんな象像を見ることができた。2013/09/22

大島ちかり

10
空想?現実?理想郷っぽくて分かりません。ただただ象の仲間愛と機知に富んだ知識と控えめさに尊敬の念を抱きました。楽しみにしていた太母の会話のところは、あまりの感動で涙しました。多分また読んでも泣くと思います。2016/04/18

Moeko Matsuda

7
動物行動学者ライアル・ワトソンの自伝的作品。少年時代に見た「エレファントム」すなわち「幻の象」を巡って、彼が象という不思議で偉大な生き物への理解と関心を深めていく話だ。生物学者は研究の果てに神を見るとよくいうが、これを読むと、まさにその通りだと思う。人間が非科学的だと切り捨てがちな第六感は、本当に「科学的に」否定されるべきものなのか?動物達に対する人間の野蛮な振る舞いは赦されるのか?自分の無知や無理解への対処の仕方を大いに反省させられた。生命は未知と希望に満ちている…人間が正しくそれと向き合うならば。2016/09/14

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