出版社内容情報
それは長く人類にとって大きな謎だった。天国と地獄はどこにあるのか、どのような場所か、誰が住んでいるのか、広さや質量は、地上からの入口はどこか? 人類はずっと死後の世界を恐れ、想像し、描いてきた。
本書に収録されているのは、例えば死者の行先を選別するチンワト橋、地上にある地獄の入口、燃え盛るイスラムの火獄、悪魔の頭の形をした実がなる木ザックーム、「歯が鳴る館」「ジャガーの館」「刃の館」など順番に6つの試練を受けるマヤの死後の世界、『神曲』の天国と地獄を絵に描く挑戦、幸福諸島はどこにあるのか、飽食とごろ寝の桃源郷コケイン、地獄の幻視、死後の世界の地図……
古代エジプト、メソポタミア、ゾロアスター教、古代インド、仏教、ユダヤ教、北欧神話、マヤやアステカ、キリスト教などから、天国と地獄をめぐる神話とそれを美しく、あるいは生々しく表現した絵画・地図・彫像を紹介する。
『世界をまどわせた地図』(八重洲本大賞受賞)、『世界をおどらせた地図』、『宇宙を回す天使、月を飛び回る怪人』、『愛書狂の本棚』の著者による、知的好奇心を満たすシリーズ最新刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
159
地獄をアートで描いた作品集、私は無神論者なので、地獄も天国も全く信じていません。信心深い人々は、当然地獄の存在を信じているのでしょうか❓ いずれにしても人間の想像の範囲内、明らかに人類の創造の産物です。 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/product/23/020600013/2023/03/17
G-dark
17
国、時代、宗教の異なる人々が「あの世」をイメージして描いた絵画・彫刻・書物等を紹介している本。古いものから近代に至るまで。美術書として眺めたとしてもそのイマジネーションの豊かさに心を揺さぶられますし、歴史書として読んだとしても解説文に読み応えがあります。作品の作り手はそれぞれ「あの世」のイメージが異なるものの、誰もが「天国」「冥界」「地獄」「悪魔」といった概念を持っているという共通点が非常に興味深いです。生まれた国も時代も見た目も言語も違うのに…。実はみんな深層心理のようなものが繋がっているのでしょうか?2023/08/09
かふ
16
ナショナルグラフィックの図鑑だから絵が凄い。こんな地獄絵を見せられたら地獄に行ってみたいと思う。日本の地獄絵の方が稚拙な感じだが、その分どろどろしている感じだ。こっちはアートの世界だから、美しいというかそれで面白い。天国図もあるけどやっぱ地獄図に憧れてしまう。キリスト教世界の地獄図は特にアートとして観賞出来る。ゾロアスター教とかは稚拙な絵の方がおどろおどろしい。エジプトとかインドの絵はカラフルで夢の世界。https://youtu.be/EgaBb4OOlp4?si=4QO-4OSgV2kRgJIw2024/04/27
skr-shower
4
他地区図書館本。地獄と黄泉の国は随分と違う…2023/06/26
ssコスモ
3
地獄や中間世界・天国をあらわす、古代からの絵図や絵画がこれでもかというくらいに載っていて、難しいがとても興味をひかれる。2023/09/10
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- 和書
- 愛 中公文庫 (改版)