出版社内容情報
本書では、遺伝子という概念を初めて明らかにしたメンデルや、DNAの構造を解明したワトソンとクリックらの業績を説明しながら、遺伝子のメカニズムを平易な文章と美しいイラストを多用して解説する。そして最新の遺伝子研究が医学や生物学、あるいは農業や犯罪捜査にどのような影響を与えているか、さまざまな事例を通して紹介している。おもしろいのは、実際に家庭でもできる遺伝子実験がいくつも紹介されており、これらに挑戦しながら難解な遺伝子の仕組みを少しずつ理解していけるよう工夫されていることだ。子供たちや学生向けの「遺伝子工学入門」の役目を十分に果たしてくれるだろう。また、最終章では今後の遺伝子工学の発展に伴い必ず大きな問題になる倫理的、法的、社会的影響についても言及している。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
39
2020年出版、DNAトリビア満載のすごく楽しい一般書です。おりしもNHK特集・紅海の海底にあるブラインプール(酸素ゼロ)で生きる微生物らのDNA(まだ未同定なのでここはあいまいですが)9割近くが未知のものだと知ったばかりです。儲かる可能性のある医療系の開発ばかりが目立つこの分野ですが、古生物学などの発見がやっぱり面白いなあ!2023/07/28
noko
3
遺伝についての雑学が増える一冊。遺伝子はまだまだ謎が多く不思議なことだらけ。人間の染色体の数は46本、犬は78本。反社会的行動が遺伝に関係しており、複数の遺伝子の働きによるものと考えられる。マウスは母親より、父親から受け継いだDNAを多く使う。人間の染色体は大きさによって番号が振られていて、1番染色体は最大の染色体で、人間の全DNAの8 %を占める。一部のヨーロッパ人はHIVに耐性がある。なぜなら中世に流行した厄病により遺伝子に突然変異が起きたから。研究のやり甲斐がある未知な世界だ。2023/07/03
y
1
申し訳ないけれど、何だか薄っぺらい内容だと感じました。 単なるトリビア的な一言の項目が多く、私にとっては既知の内容で深掘りした解説も少なかったです。 まぁ、ムックだから仕方ないのかもしれないですが…2020/12/09
ペカソ・チャルマンチャイ
1
ナショナル・ジオグラフィックですから、写真がたっぷりですぐに読み終えてしまいました。この話になると、結局最後は科学と宗教、倫理の問題になる。癌も完治できるようになったら人間死ねないじゃないか?それがいいのか悪いのか、真剣に議論しないとね。2020/09/29