内容説明
フランス国王を讃えるゾウの形をした建造物。ピラミッドより巨大な球形のニュートン記念堂。高さ1.6キロ、528階建ての超高層ビル。中世から20世紀に至るまで、構想されながらも「幻」と消えた建築の数々。建築家や芸術家、思想家が夢に描いた、壮大で妄想に満ちた挑戦の物語。
目次
1 夢見た理想の都市
2 啓蒙時代が生んだ奇妙な空間
3 急成長する都市
4 建築の革命
5 輝く都市
6 そして未来へ
著者等紹介
ウィルキンソン,フィリップ[ウィルキンソン,フィリップ] [Wilkinson,Philip]
建築や宗教、歴史に関する著作を多数もつノンフィクションライター。1955年生まれ。オックスフォード大学コーパスクリスティ・カレッジで学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
67
実際に存在しなかった巨大や斬新な建築を集めた全景のイメージとその背景を語る本。2022/10/02
かりさ
60
構想されながらも幻に終わった建築物たち…建築家や芸術家たちが夢みた理想は幻想と妄想になってしまったけれど、その壮大さに見て読んでわくわくします。宮殿や修道院、大聖堂や音楽堂…人々の夢や希望をのせて設計された建築たち、理想郷を求めてその先の未来へと先人達のたゆまない想像の翼、羽ばたくことはなかった幻の建築。だからこそロマンに溢れる。とても面白く読みました。2018/10/26
Toshi
15
「まぼろしの奇想建築(原題は “Phantom Architecture”)」とあるが、扱われているネタの多くはとんでもない構想ではなく、実現の一歩手前までいった著名な建築家やデザイナーによる計画である。ドバイのブルジュ・ハリファを先取りしているフランク・ロイド・ライトの「ザ・イリノイ」と呼ばれた1600mの超高層ビルや、建築家の傲慢さすら感じる丹下健三の「東京計画1960(東京湾上の海上都市)」。なかでも「アイザック・ニュートン記念堂」は実際に見てみたかった。2024/07/21
鯖
15
構想されたものの、現実には建設されなかった聖堂、宮殿、都市などを集めた本。丹下さんの東京計画の東京湾に軸をのばして海上に都市をつくる1960年の計画。…これさー、関東大震災って私たちだと90年以上前の出来事だけど、1960年だと40年くらいしかたってないのになんなんだろな。人間の記憶力って不思議だな。中国の透明なくらげを積み重ねたみたいな高層都市兼緑あふれる農場がかっこよかった。ちょっと住んでみたい。三峡ダムのそばに作ってほしい。2020/07/18
つちっち
12
表紙絵はパリ凱旋門のある場所に建てられる予定だった勝利の凱旋象。こんな感じで見た目インパクトのある建築物が並ぶかと思いきや、わりと普通だった。普通というか実現可能といった方がいいか。解説は、まぼろしに終わった理由がいまいち不明で気になったけど、著者の興味が建築物自体に強く向いているからだろうと思う。ハディドの新国立競技場は今頃とっくに完成してたんだよな、ホントに残念!見たかった。日本じゃもうハディドはみれないのにな。2021/01/05