出版社内容情報
科学の進歩によって動物の行動を詳しく分析できるようになり、私たちが思っていたよりはるかに多彩で豊かな心の世界を持っていることがわかってきました。動物の心について興味深いエピソードに触れながら解説します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
智湖
33
人間が思う以上に、動物達は知性を持ち、豊かな感情を持っている。チンパンジー等のサルには、ある種の数学の問題で大学生を負かすほどの答えを出すものがいる。また、記憶力など無さそうな金魚は、数ヶ月前に会った魚のことを覚えていることが数十年前に判明している。心に響いたのは、心理学者であるアイリーンが飼っていたオウム。彼は100以上の言葉を、機械的に繰り返すのではなく、理解していた。2007年にオウムがアイリーンに最期にのこした言葉は「いい子ね、また明日。愛してるよ。」だった。現代の人間よりも心が豊かなのでは。。 2020/09/08
那由田 忠
25
細かく実験方法については書いていないものの、様々な手法を駆使して動物の「心」がどのようなものであるのかが分かってきた。例えば、食べ物の好き嫌い(美味しいと思うか)があるかどうかは、苦労してでも食べることがあるかどうかで測ることができる。そうやって冷静な目で、単に人間になぞらえて見るのでなく、動物の行動を見てみれば、どんな「下等」動物でも好き嫌いがあって、血縁関係でなく仲間とつるんでいたり、お互いに助け合ったりしている姿が見えてくる。この概説だけでなく、もっと詳しい話を読みたくなってしまった。2018/07/05
スイ
15
人間以外の動物に知性や感情はあるのか、に焦点を当てたムック。 具体例を挙げつつ語られる話はどれも興味深い。 ドブネズミは苦難に遭った他のネズミを慰めるため、隠しておいたチョコレートをあげるというエピソードは泣いちゃいそうだったよ…動物を安易に自分の感動に消費したくないと思っているけども泣いちゃうよ…。 鮮やかな写真もたくさん載っていて嬉しかった。 〜かもしれないといった曖昧な結論のものが多かったが、途上なのだから仕方ない。 動物が知性や感情を持ちうるのでは、というスタートに辿り着くまでが長かったのだし…。2021/09/29
イボンヌ
14
圧巻なグラビアと素晴らしい文章です。動物の知性 感情 言葉 社会などについて、最新の研究を交えて書かれています。2018/06/26
まめ@暫くイン率落ちます
8
発売されると知ってからどうしても読みたく予約注文し、待ちに待った本です。愛情、思いやり、悲しみ等のコミュニケーションを彼ら動物達も人間と等しく。窓から見える電線に止まった雀も人間には分からない言葉で井戸端会議しているのかもしれませんね。動物達がコミュニケーションを取ることに対して驚きよりも、心がほんわか暖かくなり読了です。2018/04/26