著者等紹介
井上浩輝[イノウエヒロキ]
1979年、札幌市生まれ。札幌南高校、新潟大学法学部卒業、東北学院大学法務研究科修了後、北海道に戻り、風景写真の撮影を開始。2016年にキタキツネが追いかけっこしている写真で「National Geographic Travel Photographer of the Year」コンテストのネイチャー部門1位を日本人で初めて受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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内島菫
24
キツネよりも、まず木々や雪原の雄大で繊細な風景に目が行った。そしてキツネたちの見せる表情の豊かさに驚く。「雪とアスファルトの境を歩くキタキツネ」の写真に寄せられていた写真家の言葉のように、キタキツネたちも人が手を加えた自然とかかわって生きている。彼らの表情の豊かさは、彼ら本来の性質に加え、多元化する環境に対応してきた結果にも思えた(車に轢かれて全滅してしまった一家の話は悲しい)。それでも母子のキタキツネの表情には、人を寄せ付けないほどの神々しさを感じる。2018/06/30
宇宙猫
22
★★★★★ きつねは可愛いけど、こんなに可愛いきつね達の写真集は他にないね。雪上なのが良いのかな、ずっと見ていたくなる。初めは風景目的だけあって、風景の写真も素敵。東山魁夷の絵かと思った。2018/07/15
chatnoir
20
動物の中では狐にも弱い私。美しい狐のアップの写真も素敵だし、真冬の北海道の雪原にぽつんと点のように映る狐のシルエットも素敵。国道を一本入ればこんな風景も当たり前の北海道の田舎に住んでいるから、見慣れた風景だけど、そこに狐が映っているとなんてまぁ素敵なんだろう。映っている子の中には足元でゴロン(俺が優位の意味らしい)してしまう人慣れした子もいるらしい。うらやましい(笑)人からエサをもらって丸々としているのはやっぱり綺麗に見える。実際は痩せこけて毛もボソボソの個体も多いけど、美しい狐ばかり映っていた。 2018/01/23
XX
10
猛暑の中、北海道の大雪原を走る美しいキタキツネの写真を眺める。冬毛でふっくらと見えるきつね単体の写真ももちろん素晴らしいのだけれど、一面の雪景色の中の小さな黒い点のようなきつねの写真があるのが、彼らの生活の一端が伺えるようでとても良い。そうか、君たちはこんな世界で生きているのか。とはいえキタキツネは完全な野生とも言い難く、人間の生活圏の周辺に生息するために餌付けされ太ってしまった個体もいるそうで。今だとインバウンドの開発のあおりは受けたりしないのかも心配だけど、今後も上手く共存できればいいなと思う。2025/08/31
ひなにゃんこ
7
★4.5 キタキツネの写真集。キタキツネの写真をこれほどじっくり見たことはなかった。凛々しいのにモフモフ、すごく魅力的。スッと長い鼻先は犬っぽく、細い瞳孔のつり気味の目は猫っぽい。金茶の毛色が雪に美しく映える。元々は北海道の風景写真が目的だったという作者の写真は風景も美しく、木々の遠景はまるで東山魁夷の絵画のようで、幻想的。ずっと眺めていられそうな写真集。2018/01/09