内容説明
これは、時代の制約にしばられ、反発し、また受け入れもしながら生きてきた10人の女性たちの人生のお話。いきいきとしたことばでつむがれた、もうひとつの「日本史」です。
目次
野の声、森の声―縄文のシャーマン
女王と呼ばないで―台与
日出処のわたし―推古天皇
この平城京の片隅で―笠女郎
おもろい女たち―清少納言
水の音―建礼門院右京大夫
森に溺れる―森女
私たちの戦国―高台院おね
月が私について来る―遊女勝山
世界はこの手の中に―葛飾応為
著者等紹介
佐々木和歌子[ササキワカコ]
青森県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。専門分野は日本語日本文学。(株)ジェイアール東海エージェンシーにて歴史文化講座の企画運営に携わりながら、古典文学の世界を、やさしくわかりやすく解き明かす著作を重ねる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maito/まいと
15
独特の文章だ。日本史の中で独特の輝きを残した10人の女性達を取り上げた短編集。なのだが、比較的マニアックな方が出てくるし、口調は今風、書き方もイマドキ変換されていて、なんだか不思議な気分になる。だが、著名であろうとなかろうと、女性として1人の人間として目の前の絶望や悲しみと向かい合い、抗い続けた結果が、歴史に名を残したにすぎないんだ、という著者の思いが伝わってくる。読んでいくと、色々なことを託されたような想いになってしまう。やはり不思議な1冊だ。2018/11/06
TAMA
13
歴史って男の人の目線だと思った。女の人の見る歴史は動く途中の様子。笠女郎の悟った後の透き通った気持ちとか一休さんを動かしたすべて受け入れるモリとかが神々しく思えて。賢い女に見えたおねもほんとはもっとやな女になりたかった願望もあったかな。歴史の中のあの頃きっとこんな風にしなやかに生きた女達。良かったです。言葉(これは許容範囲)とか風俗が今風で時々ずっこけたけれど枕草子の桃尻語訳もいいと思ったので有りか2018/11/19
みいやん
11
あまりスポットのあたらない女たちが一人称で語るが、バリバリの現代語表現なので、読みやすく解りやすいが、イラストと相まってライトな感じになってしまう。深い内容もあるのにちょっと残念。2018/10/25
えつ
8
Kindle Unlimitedにて。歴史上の10人の女性たちが自分の思いを現代語で語っている。なかなかにライトな感じがして読みやすい。最初のシャーマンのお話で心掴まれてしまった…!!!最後まで楽しく読めた。2025/01/30
getsuki
8
それぞれの一人称で語られる女性たちの物語。時々現代語が混じるのに目をつぶれれば問題なし。平坦な文章で読みやすく、さらっと読了。2018/10/05