内容説明
永遠の愛情を宿命づけられた王朝随一の歌人の生涯。
目次
序 奔り去るもの
破の章 くらきより(つれづれと;黒髪の乱れ;心はちぢに;さも中空に ほか)
急の章 ほとどきす(薫る香の;物を思ふ朝;待ちとる岸;窓うつ雨 ほか)
畢 あくがれ
著者等紹介
水原紫苑[ミズハラシオン]
歌人。横浜市生まれ。早稲田大学仏文修士課程修了。1989年、第一歌集『びあんか』刊行。現代歌人協会賞受賞。第三歌集『客人(まらうど)』で第一回駿河梅花文学賞受賞。第四歌集『くわんおん(観音)』で第十回河野愛子賞、第七歌集『あかるたへ』で第五回山本健吉文学賞・第十回若山牧水賞を受賞。春日井建に師事、師の没後単独で活動。日本の古典芸能に造詣が深く、自らも謡曲・仕舞を稽古する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
10
永遠の恋を宿命づけられた王朝随一の歌人の生涯を描きます。本書の参考文献に保田與重郎『和泉式部私抄』を挙げてあるのを見て、やはり水原さんは信頼できる現代歌人だと思いました。2014/03/16
浮草
4
恋多き女といわれ、兄弟宮と関係をもつ。歌は文字数が限られていても、掛詞や本歌取りなどでたくさんの心情を伝えられるものなのだなと改めて実感。他国の恋の作法をよく知る訳ではないけれど、後朝の歌や来ない恋人に歌で訪れを乞うなど、本邦では言葉の力が恋愛力だったのね。2015/07/30
den55
3
我が偏愛する歌人・紫苑さまによる和泉式部の伝記小説、知られている和泉式部の伝記に作者の想像と、残されている和泉式部の短歌からの読み解きを交えた不思議な世界が拡がる。 正直、短歌が好きでも作者に偏愛を抱くものでなければ読み通すのは結構辛い。男では尚更のことである。語られるのは平安歌人の恋物語を中心とした、女性の伝記である。2021/09/11
yumiko
1
素敵な恋の歌が多く、大好きな和泉式部。恋多き女と言われた彼女の歌は、千年以上もの時を超えても、変わらない思いの切実さと深さで、私達の心をぐっと掴みます。「白露も 夢もこの世も まぼろしも たとへて言へば 久しかりけり」2013/05/02
禁酒パンヤ
1
和泉式部の伝記です。こんなに激しい恋をした女性だなんて知りませんでした。恋に生きながらも、それを歌への創作に変えてしまう。歌人の水原さんだからこその視点で、とても興味深く読みました。2013/03/06
-
- 和書
- 救急診療指針