内容説明
日本人は、なぜ負ける戦争へと進んでいったのか?昭和という時代には、いったい何が起きていたのか?内政・外交・社会・文化から気鋭の七人の研究者が読み解く、昭和史の決定版。
目次
第1章 昭和超国家主義運動と陸軍―昭和史の「原動力」
第2章 満洲事変から日中戦争へ―日中関係の実像とは
第3章 真珠湾への道―日米関係の破綻は避けられたか
第4章 天皇・政党・軍部―昭和前期の内政と外交
第5章 「インテリ」と知的社会の変貌―アカデミズム・ジャーナリズム・ポピュリズム
第6章 「大震災以降」の大衆心理の転換―映画(小津・成瀬)と文学(谷崎・荷風)に見る
第7章 東京裁判―その実体を検証する
著者等紹介
筒井清忠[ツツイキヨタダ]
帝京大学文学部教授。1948年大分県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。博士(文学)。『西條八十』(中公文庫、読売文学賞受賞)等、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かず
4
私が本書を取った理由は、「本当に軍部が悪かったのか」という疑念からである。日本人は、兎角、悪玉論が大好きだ。「軍部が悪い」「新聞が悪い」と誰かを悪者にすれば、そりゃあ、楽だ。私は思う。「民衆1人1人の責任なのだ」と。第1次大戦の特需の後、関東大震災、世界恐慌と続き、一挙に日本人は不安に苛まれることとなった。そこから活路を求めるべく、資本家は戦争特需を期待し、新聞は煽り、無知な民衆はそれに疑念を持たず追随し、戦争に突き進んだのだ、と私は考える。これは現代にも通ずる話である。我々は無責任ではいけないのである。2014/06/09
きみどり
2
あんまりレビューとか見かけなかったけど、良い本なんじゃないでしょうか。書き手も信頼のおけるであろうプロの歴史家ですし(評論家の方は存じ上げなかった)、語り口調で面白く読みやすかったです。欠点としては、各章で話がやや被ってるというのがありますが、被るところはやはり重要なポイントということなんでしょう。五百旗頭先生の書かれた章が自分には一番面白く、また勉強になりました。2017/01/11
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