内容説明
1984年、当時、国鉄のエンジニアだった著者は、バンコクの国連に派遣される。若くして長逝したM君とともに「アジア鉄道近代化プロジェクト」のために獅子奮迅する日々をユーモラスに活写する。
目次
第1章 ユダヤ人とソビエト諜報部員
第2章 助けの要る人、できる人
第3章 押し付けられた部長代行
第4章 外交特権のベンツ
第5章 国連の不思議
第6章 ナポレオンとその仲間たち
第7章 ESCAPの国際会議
第8章 部長の墓碑銘
第9章 苦しいときの紙頼み
第10章 金持ちになった鉄道チーム
第11章 占領された運輸部
著者等紹介
田中宏昌[タナカヒロマサ]
鉄道エンジニア、工学博士。1939年広島県呉市生まれ。1963年東京大学工学部卒業。同年、日本国有鉄道に入社。東京第一工事局次長、構造物設計事務所次長を経て1984年国連ESCAP運輸通信観光部鉄道課長。1990年帰国後、東海旅客鉄道に入社。取締役関連事業本部長、専務取締役新幹線鉄道事業本部長、代表取締役副社長を歴任。2002年より顧問として台湾高速鉄道プロジェクト技術指導。2010年より非常勤顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スプリント
6
国連内の人間関係がとても面白くて失礼ながら仕事の内容よりも記憶に残りました。とくに印刷をめぐる攻防や新任部長のいびり、ソ連崩壊に伴う情報部員の没落などが印象に残っています。2015/02/15
mdsch23
3
鉄道の本というより国際公務員のお話がメイン。世銀の人事採用の優先順位の話は興味深かった。2011/05/21
katta
3
1980年代、冷戦の終盤に国連のESCAP(アジア太平洋経済社会委員会)に所属していた著者が、アジア鉄道近代化プロジェクトのためにバンコクで過ごした日々の回想録。相棒だったM君の死が、彼にこの本を書かせる動機となった。ロシアのスパイあり、強欲ババアあり、欧米の技術者や偏屈なアメリカ人と呉越同舟で行う壮大なプロジェクト。これは拾い物。面白かった。鉄っちゃんならよけいだろう。2011/05/06
mino
2
私たちが知り得ない国連の真実の姿が描かれていて、面白かった。2011/10/06
たみこ
2
国連も、企業も、人間がいるところって同じような問題があるもんなんだなぁ。 国連職員はみんな協力して熱心で…と思っていたのですが、やっぱりいろいろあるんだと思いました。2011/08/11
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