内容説明
詩集『白羊宮』などで象徴派詩人として明治詩壇に一時代を劃した薄田泣菫は、大阪毎日新聞に勤めてコラム「茶話」を連載し、好評を博する。人事に材を得た人間観察から、やがて自然や小動物を対象にした静謐な心境随筆へと歩をすすめ、独自の境地を切り拓いた。本書は泣菫随筆の絶顛であり、心しずかに繙くとき、生あるものへの慈しみと読書の愉悦とに心ゆくまで浸るにちがいない。
目次
早春の一日
春の賦
静寂と雑音
佗助椿
花を待つ心
詩は良剤
春菜
神に願ひたい事
土に親しめ〔ほか〕
著者等紹介
薄田泣菫[ススキダキュウキン]
詩人・随筆家。本名は薄田淳介。1877(明治10)年、岡山県生れ。岡山県尋常中学校(現・岡山県立岡山朝日高校)を中退、上京し、独学する。帰郷して詩作に勤しむ。99年、第一詩集『暮笛集』を刊行。『ゆく春』『白羊宮』などの詩集で、蒲原有明とともに泣菫・有明時代を築く。大阪毎日新聞に勤め、コラム「茶話」を連載し好評を博する。パーキンソン病に罹患、晩年は口述筆記により執筆。1945(昭和20)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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双海(ふたみ)
14
自然や小動物を対象にした静謐な心境随筆。「ひとり静とふたり静」が好き。2014/05/02
モリータ
5
◆単行本(底本)1934年創元社、文庫版(本書)2009年ウェッジ刊。薄田泣菫(1877-1945)後期の随筆集。大阪毎日新聞に務めていた泣菫は、明治末期から西宮市に住んでいた。「雑草園」と呼ばれる分銅町の邸宅の庭には、雑木・雑草が豊かに緑を見せていた。パーキンソン病で文筆も日常生活も困難になった泣菫だが、目の前の小さな庭の植物・動物、雲や鳥を見、東西の文章と過去の記憶を織り交ぜながら四季を綴る。◆「方丈のやうでありながら無限の自然と結びついた庭や周囲の自然、小動物、読書の記憶、静寂へのつよい思ひ、(続2025/07/12
ネムル
3
孤独と戯れる。草木、あるいは鳥や虫と心を通わすだけで、どこまでも世界が澄み渡っていく。鳥や獣の言葉を聞き取れるという著者の心のありようもさながら、それすらすり抜けていく雨蛙の存在感にふいた。静々とユーモラス。2010/03/09
shinsei1229
2
心をそっと撫でられたようで、ゆったりとした気持ちになります。午後の昼下りに日向ぼっこをしながら、まどろみつつ、ゆっくり読みたいです。2010/01/09
しんこい
1
寒暖や天気だけでなく、花、虫の声、作物等々が本当は季節の変わりを示しているだったな、と今頃感じました。2011/05/14




